書評『日本の「中国人」社会』中島 恵著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

日本の「中国人」社会 中島 恵著

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内山菜生子書評#今週の名言奇言

 日本で暮らす中国人は現在70万人を超え、今やホワイトカラーに就く者が増えている。中国に精通する著者が、在日中国人コミュニティへの取材を重ね、外からは見えない実態を浮き彫りにする。

 来日理由は様々だ。ビジネスチャンスを追う者。祖国では制度に阻まれて購入できない大都市の高級マンションを取得する者。教育熱心な親から予備校に放り込まれて途方に暮れる若者たち。情報源は仲間内のグループチャットで、数百人が参加するものもある。SNSを介して弁当屋などの小規模ビジネスが成立し、日本人を介さない生活圏が維持される。

 日本に住む利点と難点を考察し、彼ら彼女らを国籍だけで一括りにすることの危険性を説く。本書からは個性を持った一人ひとりの姿が立ち現れる。相互理解の基礎は個人と教えられる。(内山菜生子)

週刊朝日  2019年4月5日号


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