敗戦後から現在に至る日米関係の実態について、老練と新鋭の二人の政治学者が対論形式で語り合う。

 トランプ大統領の登場によって、アメリカは確実に没落し、終焉の時期を迎えた。だが日本は、いつまでも「中国脅威論」「中国崩壊論」を後生大事に唱え続け、いまだに米国依存、米国従属を断ち切れない。自民党、財界、学者、メディアなどの姿勢も変わらない。これが二人の共通した考え方である。その原因はどこにあるのか。東アジアに残る冷戦構造、アメリカが主導してきた新自由主義のマイナス面、安倍外交の破綻、中国の「一帯一路」政策の意味など様々なテーマを俎上にのせて問題点をえぐり出していく。

 アメリカ一極体制が消えつつある時代への対処方法や日本の進むべき道についても提示する。

週刊朝日  2018年10月12日号