1978年生まれの批評家が戦後日本の主に80年代から現代に至るまでの社会情勢とサブカルチャーの関係を語った。大学での講義を元にした本ゆえに「若い読者のための」と題されているが、若者に独占させるのはもったいない。

「オタク」と「カワイイ」の戦後日本、少年マンガの終わり、宇宙戦艦ヤマトとオカルトブーム、戦後アニメーションが描いた男性性、日本的アイドルの成立と歌番組の時代など、マンガやアニメなどのサブカルチャーを通して若者が世の中をどのように捉えてきたかを解説。なぜ今、AKB48から欅坂46に流行が移っているのか?今後の日本でフィクションはどのような役割を果たすのか?などについて考える。

「古い」流行と「新しい」流行の境目を学べる本書。戦後日本の流行の系譜を知りたい人は必読だ。

週刊朝日  2018年8月10日号