私学の両雄をあらゆるデータから丸裸にした一冊。かつては何浪してでも早稲田を目指す学生が存在したが、看板学部の政治経済学部は現役率が30年前の2倍以上で9割近い。イモっぽさの代名詞だった「ワセジョ」は読者モデルとして女性誌を飾る回数が最も多く、早稲田の慶應化が進んでいるとか。

 慶應も時代の最先端の象徴だったSFCは他学部を落ちた人の受け皿に。経済学部は法学部に内部カーストの頂上の座を奪われた。一部の内部進学者を除き、「慶應ボーイ」の響きとはほど遠い勤勉な学生も増えた。

 興味深いのは、地方からの進学者が両校ともに減少しており、関東ローカル校になりつつあること。就職や資格試験などでは圧倒的な存在感を誇る2大学だが、アラフォー以上は早慶のイメージが一新されるはず。

週刊朝日  2018年7月20日号