日本のリベラルや左派はなぜ国民の多くに受け入れられないのか。人権やマイノリティーの擁護に懸命な彼らに欠けているのは経済的な視点だと指摘する論者たちの鼎談だ。

 左派の一部は衣食住が満ち足りている日本に経済成長は要らないと主張するが、これは世界的にはありえない話だという。

 米欧の左派、リベラル政党は「経済にデモクラシーを」を掲げ、積極的な金融緩和と公共投資を求めるのが主流になりつつあるからだ。

 興味深いのはこれらは日本では右派とみられている安倍晋三政権の政策そのものであること。一方の左派は緊縮政策を唱え続け、現実的に庶民の生活を改善する手立てを持ち合わせない。右派と左派の経済政策のねじれが日本の政治のわかりにくさの遠因のひとつであることが理解できる。

週刊朝日  2018年7月13日号