10年連続で出生数が日本一に輝く病院がある。本市の愛育会福田病院は、関連医院を含めて年に6千人の赤ちゃんを取り上げる。病室はすべて個室。シェフが作る病院食が供され、フィットネス室やプールも備える。患者はこれらを出産一時金でまかなえる。リピーターの妊婦も多く、熊本県内の3分の1の赤ちゃんがこの病院で産まれる。

 母子第一の医療を推し進めるのは理事長の福田稠(しげる)。「わさもん」=新しもの好きで、「幸せなお産」を追求する一方、その土台である「安心安全」な医療を大切に考え、70歳を超えた今も可能な限りお産に立ち会う。万全な状態で産めない妊婦の支援といった現代的な問題にも取り組む。赤ちゃんの数だけお産はあり、幸せなお産の実現に終わりは見えない。それでも挑戦を続ける姿に心を打たれる。

週刊朝日  2017年12月8日号