ストレス社会と言われて久しい。「ストレスを癒やす力を持ち、悩みからの出口を見出す一助に」と国立精神・神経センターなどで患者を診てきた精神科医の著者は語る。

 本書はタイトルにあるように人間の強さ(弱さ)にスポットをあてた自己啓発書。清原和博氏や中居正広氏などの著名人の例を挙げつつ、どんな人間が強いのか(弱いのか)、どうすれば強くなれるのかを、精神分析と行動療法を元にわかりやすく解説している。強さとはすなわち、「やりたいことがある」「自分を守る力を持っている」「我慢できる」「耐えられる」「ちゃんと理性が働く」ことであり、また「自分の弱さを認め、乗り越えたとき」に備わるのだという。

 2001年に出版された本書は、その後もじわじわと売れ続け、今回、改めて文庫化に至った。

週刊朝日  2017年9月15日号