芸人・若林正恭が司会進行を務めるテレビ番組の書籍版。毎回2名の作家がゲストとして登場し、日常生活や仕事のスタイルを語る。

 登場するのは人気作家ばかりだが、頻繁に繰り返される話題がある。「嫉妬」だ。対談企画に出ると相手と自分、どちらの発言が多く使われたか記事の行数をチェックして割り出すという朝井リョウ。芥川賞受賞前、同世代の作家が同賞を獲ったという新聞記事をめちゃくちゃに破いたという藤沢周。同期作家の活躍を見ると、足を掴んで引きずりおろしたくなるという窪美澄。普段から若林と親交があるためか、作家たちの口から出る言葉はあまりに率直で楽しい。作家が作品を生み出すモチベーションは、意外と世俗的な部分にあるかもしれない。作家と作品に親しみと興味が湧いてくる。

週刊朝日  2017年7月28日号