人工知能(AI)の研究者が、脳科学やAIの知見に照らして「男性脳」と「女性脳」の違いを論じる。

 男女の対話スタイルには、ゴール(結論)指向問題解決型の「男性脳」とプロセス(過程)指向共感型の「女性脳」という違いがあるという。この違いをわかろうとしない結果、ほとんどの男性が女性を怒らせてしまう。「検討する」は、男性は比較すること、女性は感じ尽くすこと。「カワイイ」は、男性は字の如く「可愛い」、女性は「心が動いた」ということ。これでは、なかなか交わることができない。

 だが、男女の脳の性差を認めたうえでの言葉や気遣いが互いへの信頼醸成につながると説く。女性に接するとき「とにかく共感」が大事だとも。職場に女性が多い男性にとって、本書は“実用書”にもなるだろう。

週刊朝日  2017年7月7日号