書評『トランペット』ジャッキー・ケイ著/中村和恵訳 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

トランペット ジャッキー・ケイ著/中村和恵訳

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西條博子書評#話題の新刊

トランペット

ジャッキー・ケイ著/中村和恵訳

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 今を生きるスコットランド人作家の小説。

 ジャズトランペット奏者だった主人公が亡くなり、遺体から、生涯男装を貫いた女性だったことが明らかになる。30年以上の間、夫婦の寝室を共にし、毎朝パートナーの胸に2本の包帯を巻いた妻。反抗しつつも父親を崇拝し、秘密を知らされていなかった養子の息子。そのほか、医者、年老いた母親、昔の同級生、ジャーナリストなどさまざまな人々の胸中が明かされる。

 死後に女性とわかり、話題になった実在のジャズピアニストにビリー・ティプトンがいる。また、著者自身も黒人の父と白人の母を持ち、スコットランド人夫婦の養子になり、レズビアンとして女性のパートナーと暮らし、息子を持つ。たくみな物語展開に揺さぶられつつ、親子の和解の情景が胸に残る。

週刊朝日 2016年12月23日号


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