書評『水俣の海辺に「いのちの森」を』石牟礼道子、宮脇昭著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

水俣の海辺に「いのちの森」を 石牟礼道子、宮脇昭著

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西條博子書評#話題の新刊

水俣の海辺に「いのちの森」を

石牟礼道子、宮脇昭著

978-4865780925
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 水俣の海岸の再生を願う作家が、植物生態学の第一人者と対談。
 石牟礼の家の対岸にある「大廻りの塘」は有機水銀などの毒に侵され、埋め立てられている。だが、むかしは海の潮を吸って生きる、アコウというガジュマルの仲間の木が生えていた。苗を海岸に植えたい、と石牟礼が言うと、土壌条件を整えたのち、水俣の海岸本来の木にシイ、タブノキ、カシと混ぜて潮水にも耐える森をつくっていけると宮脇。
 東日本大震災の被災地沿岸の防波堤林を始め、世界1700カ所以上でその土地本来の植生の森をよみがえらせてきたが、宮脇に毒に侵された土地の再生例はない。しかし、水俣が森によって再生していく姿を発信できればと願う。石牟礼の文学の底に流れる鎮魂の思いや、宮脇の研究に関する文章も収める。

週刊朝日 2016年12月2日号


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