山谷 ヤマの男

話題の新刊

2016/10/27 11:18

 眼光の鋭い元ボクサー。タオルの鉢巻きをしたジャージ姿の男……。背景に黒布を垂らしただけのポートレートなのに、撮影した場所の空気が伝わってくる。
 東京都台東区から荒川区にある日雇い労働者の街「山谷」の男たちから「写真屋のネエちゃん」と呼ばれた著者の写文集だ。
 両親は「あしたのジョー」にも登場する泪橋の交差点近くで大衆食堂を営んでいた。だが子供の頃は近隣への出入りを禁じられていたという。「山谷の男だけがもっている、もたされている生の証を写したかった」。1999年、33歳のとき、公園の一角に暗幕を張り、青空写真館を設営。以来、100人を超える肖像を撮影した。
 男たちから聞き出した打ち明け話は、虚実に夢が混ざる。彼らの風貌を確かめるため、何度も写真の頁をめくりなおしてしまう。

週刊朝日 2016年11月4日号

山谷 ヤマの男

多田裕美子著

amazon
山谷 ヤマの男

あわせて読みたい

  • 「ハイジ」で世界中からファン来訪も 「聖地巡り」の効果と魅力

    「ハイジ」で世界中からファン来訪も 「聖地巡り」の効果と魅力

    週刊朝日

    8/17

    伝説の元タカラジェンヌ、専門はクセの強いおじさん役!? 15年間の爆笑回想記

    伝説の元タカラジェンヌ、専門はクセの強いおじさん役!? 15年間の爆笑回想記

    BOOKSTAND

    8/5

  • 下流老人…リーマンショック後、ドヤ街が低年齢化

    下流老人…リーマンショック後、ドヤ街が低年齢化

    週刊朝日

    6/25

    『手裏剣戦隊ニンニンジャー』モモニンジャー山谷花純「脱ぐべきか、脱がないべきか。笑」水着初挑戦で大注目

    『手裏剣戦隊ニンニンジャー』モモニンジャー山谷花純「脱ぐべきか、脱がないべきか。笑」水着初挑戦で大注目

    Billboard JAPAN

    2/8

  • 中瀬ゆかり「『幸不幸の帳尻は、その人間が死ぬときに決まる』という名セリフは…」
    筆者の顔写真

    中瀬ゆかり

    中瀬ゆかり「『幸不幸の帳尻は、その人間が死ぬときに決まる』という名セリフは…」

    dot.

    12/27

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

コメント

カテゴリから探す