書評『新・犯罪論 「犯罪減少社会」でこれからすべきこと』荻上チキ、浜井浩一著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

新・犯罪論 「犯罪減少社会」でこれからすべきこと 荻上チキ、浜井浩一著

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朝山実書評#話題の新刊

 犯罪が増加している? 警察庁などの統計を見ると、実はこの20年間で「他殺事件」は半分以下に。総数でも日本における犯罪は減少傾向にある。にもかかわらず、なぜ逆の印象を抱くのか? 矯正施設での勤務経験をもつ大学教授の浜井氏と、評論家でラジオのパーソナリティも務める荻上氏が、報道の偏りを正していく。
 浜井氏は、若者人口が減少している日本では少年犯罪もまた減っているとして、「マスコミが大騒ぎをするような事件はめったに起きない例外的な犯罪」だと指摘する。その一方、顕著に増加しているのは高齢者の「万引き」だ。無銭飲食や少額窃盗を繰り返す「高齢受刑者」で全国の刑務所がパンク寸前となっていて、「要介護者」も珍しくないという。再犯防止には、隔離や排除よりも福祉の視点が必要だと浜井氏は提言する。
 二人は、防犯カメラの増設も俎上に載せる。捜査には有用でも抑止効果には疑問が残るとして、街灯を増やすなど美観を整え、街の活性化を進めたほうがいいと提案する。他にも、うなずかされる発言が多い。

週刊朝日 2015年12月18日号


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