書評『凄い!ジオラマ』情景師アラーキー著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

凄い!ジオラマ 情景師アラーキー著

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太田サトル書評#話題の新刊

凄い!ジオラマ

情景師アラーキー著

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 漁港の造船所で出航を待つ漁船、草むらで錆び落ちるビートルとベスパ、バットマンや宮崎アニメの世界。ページをめくるごとに現れる写真一枚一枚のリアリティは、すべて実景と見まごう。写真はすべてリアルに作り込まれたミニチュア情景模型、ジオラマ作品なのである。
 ジオラマ界のトップモデラーである著者が作り出す超絶リアルな「小さな世界」。作品集でもある本書に収録された作品ひとつひとつの、精密に作り込まれたディテールに、「マジか」「すげえ」「ファーー」と、驚嘆・感嘆しきり。
 ディテールのリアルさだけではない。朽ちた船がたどった歴史、道ゆく人や横たわる猫から感じ取れる心象風景、情景の中には「物語」がある。その指先だけであらゆる世界を作り出すことができるジオラマ製作者は、監督であり脚本家であり、演出家、美術監督、〈すべてを担当するマルチクリエイター〉だと著者は言う。
 本書には簡単な製作法も記されていて、自分もそんな「物語」を紡ぎ出してみたくなる衝動にかられるが、ムリかな、たぶん。

週刊朝日 2015年7月24日号


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