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深読みサッカー論
話題の新刊
2014/06/05 16:08
意外にもサッカー記事が充実している日本経済新聞の運動部記者と、五輪代表を率いたこともある山本昌邦氏の対談集。W杯出場各国の戦術を踏まえながら見所を紹介するのだが、数々の国際舞台の修羅場を経験した山本氏の指摘を踏まえて観戦するとW杯の見方が変わるかも。
芸術的なフリーキックひとつを例に挙げても、ゴールが決まるには理由があるという。クラブチームと違い連携が十分でない代表チームだからこそ、スタッフが試合前に徹底的に相手チームの「穴」を探すことで選手はゴールの確率を高められる。試合を有利に進めるための手段は情報分析だけではない。例えば試合中に飲む水も硬水か軟水か、適温は何度か、輸送方法はどうするか。きめ細かい気配りが勝利を引き寄せる。
W杯の神様は気まぐれだ。スター選手を揃えたサッカー大国が足をすくわれることも少なくない。ただ、番狂わせが起きるのは必ずしも偶然ではない。ピッチの上だけでなく、裏方を含めた総力戦がW杯の勝敗を分けることを本書は教えてくれる。
※週刊朝日 2014年6月13日号
深読みサッカー論
山本昌邦著/武智幸徳著


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