書評『ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い』Hagex著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《新書の小径 (週刊朝日)》

ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い Hagex著

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青木るえか書評#新書の小径

作り話を書き込む“釣り師”の正体

 書名を見てなんのことか、さっぱりわからない人がいると思うので、まずものすごくザックリ説明すると、「釣り師」とは、「2ちゃんねるをはじめとする何でもアリなインターネットの掲示板で、作り話をあたかも本当のことのように(つまりウソついて)書き込み、多くのコメントや、ひっかかって感動する人が何万人も現れたり、怒りを呼んで掲示板を“炎上”させたりする人」のこと。なぜそんなことをするのかというと、とにかくリアクションを山ほど欲しい人とか、それがカネになるからやる人とかがいるらしい。
 この本によると、彼らのスタイルは「お調子者型」「素朴型」「小説家型」「怒り型・暇つぶし型」に分かれ、これは一般社会の人の性格と同じだ。そういう釣り師に騙されない方法も書いてある。釣り師が好んで使うキーワード一覧があり、ファン、住民、国籍、学歴、年収、ゆとり、ニート、リア充、民度、移民、放射線、ベビーカーなどがあげられている。また句読点の打ち方や、改行の仕方、音引きの有無にまで注意を払うことで、釣り師の癖を見破れると書いている。え、そこまでして見破らなきゃいかんものなの!と知らない人は思うだろうが、私としては多くの人に見破れるようになってもらいたい。
 著者はネットウォッチャーで、ネット掲示板の「盛り上がり物件」「炎上物件」を探してきてまとめて読めるようにしたサイトをやっている。私はそこの愛読者であります。家庭内やご近所のゴタゴタ話とかで盛り上がってるのが引用されている。
 それを読み込んでいきますと、「稚拙でも、本当の話」の迫力というのはすごく面白いし、釣り師による釣り話はたいがいつまらんのですよ。なので、こういう本を読んで、読み手は釣り師に釣られないようになり、釣り師は釣りの技術をさらに磨いて、どんどん掲示板の書き込みが“ホンモノ”になってほしいのであった。そうすりゃ読んでて楽しめるから。

週刊朝日 2014年5月23日号


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