書評『ミツバチの会議』トーマス・シーリー著/片岡夏実訳 |AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

《話題の新刊 (週刊朝日)》

ミツバチの会議 トーマス・シーリー著/片岡夏実訳

このエントリーをはてなブックマークに追加
谷本束#話題の新刊

ミツバチの会議

トーマス・シーリー著/片岡夏実訳

space
amazonspace

amazon.co.jp

space

 ミツバチは晩春から初夏にかけて、新しいコロニーを作るために群れの3分の2が巣を飛び立つ。一万匹ものハチがどうやって新居の場所を選択し決定するのか。ハチの集団意思決定の驚きのメカニズムを解き明かす。
 まず数百匹の探索バチが十数カ所の候補地を選ぶ。尻振りダンスで仲間に知らせ、仲間が場所を確認しに行く。ただそれだけを数時間から数日間繰り返すだけで、全体の意見が魔術のようにベストの場所に集約される。
 彼らはすべての候補地を比較検討するわけではない。ただランダムに一つ選んで見に行き、自分の評価を下すだけだ。著者は良い候補地ほどダンスが強く時間が長いことを発見、ダンスを繰り返すと良い候補ほど支持者が飛躍的に増加するからくりをつきとめる。一匹ごとの判断に誤りがあっても、集団で繰り返し評価することで見事に正しい選択にたどりつく。シンプルかつ数学的美しさにほれぼれする。
 著者は人間の会議もハチの方法を使えばよいと書く。最高の集団知を得るには「他人に流されず自分の意見を述べること」。ハチの如く。そう言われるとちと耳が痛いが。

週刊朝日 2013年12月6日号


トップにもどる 書評記事一覧


おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事
あわせて読みたい あわせて読みたい