書評『なぜヒトだけがいくつになっても異性を求めるのか』石川隆俊著 |AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

なぜヒトだけがいくつになっても異性を求めるのか 石川隆俊著

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江田晃一#話題の新刊

 超高齢社会に突入し、老人の性生活はどうなっているのか。東京大学で医学部長まで務めた70代の著者が50代から90代の男女、約80人に聞き取り調査をした。「高齢者の高齢者による高齢者のための性生活読本」と言うべき一冊だ。
 「78歳までは元気すぎて困るくらいでした」(80歳・男)、「外に女がいた主人とは、80歳のころまでありました」(84歳・女)、「セックスは週に一度くらいですね」(70歳・女)。聞き取り調査で明らかになるのは、性生活が高齢者にとっても不可欠だという意外な実態である。調査を受け本書の後半では、他の動物と異なり、体の仕組みや機能的に人だけが死ぬまで現役でいられることを最新の医学情報に基づき、解説する。
 日本では戦後の高度成長期の「モーレツ」な働き方が家庭から性生活を駆逐してしまった。ただ、皮肉にも「失われた10年」の後の低迷でサラリーマンの働き方は転換点を迎え、ライフスタイルが見直されつつある。「死ぬまでセックス」は決して雑誌の煽り文句ではない。

週刊朝日 2013年11月1日号


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