書評『快楽上等!』上野千鶴子、湯山玲子著 |AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

快楽上等! 上野千鶴子、湯山玲子著

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吉川明子#話題の新刊

快楽上等!

上野千鶴子、湯山玲子著

978-4344022713
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 フェミニズム界随一の論客とカルチャーに精通した二人の対談集。パワフルでエネルギッシュ、自由や快楽に貪欲であろうとする二人。3・11を皮切りに、お互いの家庭環境や少女時代、親子関係、仕事、恋愛、結婚、セックス、加齢と話が広がるにつれ、「実は似た者同士」ということが明らかになり、トークは加速度を増す。
 「フェミニズム」というだけで、及び腰になるかもしれないが、そんな理由で本書をパスするのはもったいない。周囲の空気を読む同調圧力に苛まれ、閉塞感に満ちた現状を打破するヒントに満ちているからだ。そこに性差はない。
 「予測誤差があるほど、快楽は強くなる」と話す二人。予定調和であれば、手痛い失敗は回避できるかもしれない。しかし、未知への好奇心の少し先にこそ、ステキな予測誤差があり、自由や快楽、生きていて良かったという実感があるという。感覚を遮断せずに受け入れ、向き合うことでしか得られない何かを、リアルにつかみたくなる。そして何と言っても予測誤差の連続である、二人の対話が小気味よい。

週刊朝日 2013年2月1日号


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