書評『精密立体 ペーパーバイオロジー』土屋英夫著 |AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

精密立体 ペーパーバイオロジー 土屋英夫著

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土屋敦#話題の新刊

 高校の理科教員である著者が、授業の教材として作り始めたさまざまの精密なペーパークラフトが、型紙付きの本になった。収録された模型は、実にマニアックで、また、生物学において非常に重要なものばかりだ。
 例えば、20面体の頭部に6本の足が付いた月着陸船のような形をし、大腸菌に感染するウイルスであるT4ファージ。確かに顕微鏡写真を見るより、実際に作ってみたほうがはるかにその構造が理解できるだろう。さらに、生物学の実験に欠かせないショウジョウバエ、古生代に大繁栄した三葉虫、その三葉虫を捕食し、カンブリア紀の生態ピラミッドの頂点にいたアノマロカリスなどのペーパークラフトも収録されている。特にアノマロカリスの奇妙なデザインは、模型作りへの意欲をそそられる。
 生物のみならず、ロバート・フックが細胞を発見した際に使用した自作の顕微鏡や哺乳類の適応放散の立体図、眼球や脳の機能と構造がわかる模型などもあり、楽しみつつ、頭だけでなく手を使って生物学の世界に浸ることができるのだ。

週刊朝日 2012年12月7日号


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