書評『カンタ・エン・エスパニョール!』ホセ・ルイス・カバッサ著/八重樫克彦、八重樫由貴子訳 |AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

カンタ・エン・エスパニョール! ホセ・ルイス・カバッサ著/八重樫克彦、八重樫由貴子訳

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土屋敦#話題の新刊

カンタ・エン・エスパニョール!

ホセ・ルイス・カバッサ著/八重樫克彦、八重樫由貴子訳

978-4794809179
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 題名を訳せば「スペイン語で歌う!」となる。その言葉どおり、本書は、主にスペイン語圏出身のミュージシャンへのインタビュー集である。
 著者がアルゼンチンのコラムニストゆえ、登場するのは南米のミュージシャンが多い。そして、彼らの多くが軍事政権による圧迫を受け、一部は亡命を余儀なくされるなどしており、それだけに語られる言葉は日本のミュージシャンとは比べ物にならないほどの深遠さをたたえている。
 「俺はマハトマ・ガンジー」と言うラテン・ロックの雄、チャーリー・ガルシアの個性、亡命生活の苦しみを語る、詩人にして、ウルグアイを代表する音楽家でもあるアルフレッド・シタロッサの言葉の重み、「エルヴィスよりボルヘスになりたかった」というホアキン・サビーナや、ニーチェやフーコーに影響を受けた歌詞を書くルイス・アルベルト・スピネッタなどの言葉に漂う、詩的で哲学的な雰囲気……。
 そしていうまでもなく、読了後、彼らの音楽を聞きたくなるのである。

週刊朝日 2012年11月23日号


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