書評『植物からの警告』湯浅浩史著 |AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

植物からの警告 湯浅浩史著

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西條博子#話題の新刊

植物からの警告

湯浅浩史

978-4480066732
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 海外50以上の国で植物の生態を調査する学者が、植物を通じた環境の変動を、南アフリカやギアナ高地、イースター島など9カ国を例に検証する。
 日本では中国原産のモウソウチクが関東以西の里山を侵食し、日本本来の景観を変えるほどだという。現在、山村の高齢化によって里山の手入れがなされていないことが原因の一つ。モウソウチクは根が浅いため、雨が降れば斜面が雪崩のような地滑りを起こす場合がある。実際に四国でそのような例があった。モウソウチクの手入れは、国土保全のために国家的に取り組むべきものだと指摘する。
 マダガスカルではバオバブの若木が育っていない。新しい住民に、生活に必要な樹皮をまるごとはがされ倒れていく。かつては海だったオーストラリアの西部では地下の塩分が地表付近に溶け出し、ユーカリの林が白く立ち枯れてしまっている。人間が森を切り拓いて、土地の保水力をなくしたからだ。生態系の変化と同時に、そのきっかけが人間の行動であることも伝えている。

週刊朝日 2012年9月28日号


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