卓球・伊藤美誠選手(c)朝日新聞社
卓球・伊藤美誠選手(c)朝日新聞社

 3日、女子ボクシングで入江聖奈、体操の鉄棒でも橋本大輝が金メダルを獲った。これで日本は歴代最多の金メダル19個。メダルラッシュに沸く日本だが、メダリストにはその栄誉とともに「報奨金」も支給される。その金額はどれほどなのか、気になるところだ。そこでAERAdot.は競技ごとにその金額を調査し、メダリストの報奨金をランキングにした(集計は8月3日時点)。

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 報奨金は、日本オリンピック委員会(JOC)から全メダリストに支給される。金メダルが500万円、銀メダルが200万円、銅メダルが100万円だ。これに加えて、選手が各競技の統括団体が独自に報奨金を支給する場合もある。メダルの色に加えて、統括団体の報奨金の多寡がランキングに影響してくる。

 今大会、最も多くの金メダルを獲得したのは、競泳の大橋悠依と体操の橋本大輝だ。

 大橋は女子400m個人メドレーと女子200m個人メドレーの2種目で見事に優勝。しかし、報奨金は1千万円で、3位だ。報奨金はJOCからのものだけで、所属する日本水泳連盟からは「出ません」(担当者)という。

 橋本は男子個人総合と男子種目別鉄棒で金メダル、男子団体でも銀メダルを獲っている。日本体操協会の規定では金メダルで50万円、銀メダルで30万円が報奨金として出ることになっており、合計で1330万円だったが、ランキングではまさかの2位だ。

AERAdot.編集部調べ
AERAdot.編集部調べ

 大橋と橋本を押さえて1位になったのは、卓球の伊藤美誠だ。金額は1400万円。メダルは混合ダブルスで水谷隼と獲った金メダルと、女子シングルスの銅メダルの2つ。日本卓球協会からは、金メダルに500万円、銅メダルに300万円の報奨金が出る。

 水谷は混合ダブルスの金メダル一つだが、JOCから500万円、日本卓球協会から500万円で、先の大橋と同じ1千万円で3位にランクインした。

■報奨金がバロメーターに

 スポーツジャーナリストの生島淳さんはこう語る。

「報奨金は、各統括団体の力を示す一つのバロメーターです。財政をどうしっかりと作り、選手の強化にどれほど資金を回せるかが問われる。卓球は伊藤美誠などスター選手がいて、18年には国内リーグも開幕。常に注目をされているのは大きいでしょうね。人気を集めれば、スポンサーもつき財政基盤もしっかりしてきます」

 ただ、日本体操協会では、過去のオリンピックではメダリストらに特別報奨金を出してきている。16年のリオ大会では個人総合でオリンピック連覇をした内村航平に会長報奨金400万円、団体優勝した各選手に特別報奨金250万円などを追加で支給している。今回も出される可能性があるため、橋本のトップもあり得る。

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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