人通りの少ないオリンピックスタジアム(撮影/岡本直也)
人通りの少ないオリンピックスタジアム(撮影/岡本直也)

 五輪の注目競技である「陸上」がスタートした。会場は、あの華やかな開会式もまだ記憶に新しい「オリンピックスタジアム(国立競技場)」だ。意外にも、大会6日目まで、「オリンピックスタジアム」を会場にしていた競技はサッカーのみ。しかも、試合開催時間はすべて夕方からだった。つまり、昼間の時間帯からオリンピックスタジアムが本格的に使用されるのは、陸上が始まった30日からということになる。会場周辺の雰囲気は、どうなっているのだろうか。周辺を歩いてみた。

【写真】オリンピックスタジアム前にそびえる「壁」!けっこう高い…

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 記者が都営大江戸線「国立競技場」駅についたのは30日の正午過ぎ。特に、人の多さは感じられない。電車を降りて駅のホームを歩くと、何やらアナウンスが聞こえてきた。オリンピックスタジアムに最も近い「A2」「A3」出口が封鎖されているとの説明だった。

オリンピックスタジアムに最も近い「A2」「A3」出口は封鎖されていた(撮影/岡本直也)
オリンピックスタジアムに最も近い「A2」「A3」出口は封鎖されていた(撮影/岡本直也)

 改札を出ると、すぐに老夫婦に目が止まった。必死に駅員にオリンピックスタジアムまでの道のりを訪ねているようだ。話しかけてみると、練馬区からきたという。女性は興奮気味にこう話す。

「オリンピックが始まってから、早く会場を生で見てみたいなあとずっと思っていたんです。今日は主人の通院の帰りなんですが、強引に主人も連れて来てきちゃいました。でも、交通規制もあるようなので、どのくらい間近で見られるのかが少し心配です」

 記者も同感だった。実際、どのくらい会場に近づけるのだろうか。

 前述したように「A2」「A3」出口は封鎖されている。となれば、どこから地上に出ればいいのか。

 まず、向かったのは、オリンピックスタジアムの隣にある東京体育館の目の前に位置する「A4」出口だ。出てみると、数名の警察官と護送車のような大型車両によって、かなり厳重な交通規制が行われていた。雰囲気は、かなり重々しい。正直、周辺は駅構内と同じで、人は、まばらといった様子だ。どうやら、徒歩では、かなり遠回りしないと、オリンピックスタジアムには近づけないようだ。

「A4」出口付近では厳重な交通規制が行われていた(撮影/岡本直也)
「A4」出口付近では厳重な交通規制が行われていた(撮影/岡本直也)

 とりあえず、東京体育館沿いを歩いて、オリンピックスタジアムに向かってみた。外苑西通りに出てみたが、やはりバリケードなどで封鎖はされている。競技場が近づくと高い「壁」も現れた。話には聞いていたが、間近で見ると圧倒される。

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