東京都の小池百合子都知事(C)朝日新聞社
東京都の小池百合子都知事(C)朝日新聞社

 しかし、その全ての部屋が使えるわけではなく、看護師が健康管理を行う部屋、夜勤職員が泊まる部屋、防護服などの物資を保管する部屋など一定数、事務局が利用する部屋を用意するため、それらを除いた入室可能な部屋数は現在、2920室。

 現状の入所者数は1696人(7月14日現在)であることから、受け入れ可能数の6割強が埋まっている状態で、「十分に余裕があるとはいえる状況ではありません」(東京都福祉局)という。

 緊急事態宣言が再発出された東京都で16日、確認された新たな感染者は1271人で、3日連続で1000人を超えた。東京五輪の開幕を1週間後に控え、感染拡大が止まらない中、全国的にワクチン不足に陥り、接種が一部地域で止まっている状況が続く。

 AERAdot.(5月9日配信)は、菅政権が都内にある警察用宿舎を37億円かけて改修し、コロナ陽性者を受け入れる施設として使うと発表したものの、完成後に一度も利用することなく放置。今年4月からもとの警察用宿舎に11億円かけて戻し、計48億円の血税が無駄になった顛末をルポした。

 ちぐはぐな菅政権のコロナ政策の中、感染者数が再び急増しているが、いつ誰が感染者になってもおかしくない。真に必要な医療体制の確保が求められている。

(AERAdot.編集部 上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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