たとえば、足腰が弱っている父がころばないようにと、実家の片づけをしたのですが、母は物が捨てられない人で、せっかく処分した物を戻してしまうんです。それについて抗議したら、「そんなことより、あんただっていいかげん結婚して安心させてよ」という具合なんです。

あさとひわ著『ねぼけノート 認知症はじめました』(朝日新聞出版)より
あさとひわ著『ねぼけノート 認知症はじめました』(朝日新聞出版)より

――お母さんの詮索好きに困った、というエピソードも、面白かったです。

 地元病院のK先生を、父と母はとても信頼していました。それはいいんですが、母がK先生はいくつかとか、どこに住んでいるかとか、「メールとかしてない?」とか私に聞いてくるのには困りました(笑)。

ただ、昔は喧嘩すると私も母も絶対に譲りませんでしたが、今はだいぶ穏やかになりました。一緒に父の介護をしたことも、大きいのかもしれません。

あさとひわ著『ねぼけノート 認知症はじめました』(朝日新聞出版)より
あさとひわ著『ねぼけノート 認知症はじめました』(朝日新聞出版)より

※発売中の『ねぼけノート 認知症はじめました』では、介護経験者なら共感せずにはいられないエピソードはもちろん、母と娘の「あるある」話も読むことができます。