国立競技場 (c)朝日新聞社
国立競技場 (c)朝日新聞社

「デルタ株の感染率が高い。世界がパンデミックの中、一部のアスリートの為の順位争いをやる意味がわからない。なぜいま五輪なのか? 国民の命より大切なものが五輪なのか? 一人たりとも死なせてはならないと思うのが、この国のトップの仕事、そして責任である」(女性、67歳、埼玉)

「科学的、医学的知見に基づき、無観客を主張する専門家の意見を無視している。また、五輪強行派のスポーツ専門家やアスリート出身の識者は、Jリーグやプロ野球が有観客で行われていることを盾にその正当性を説明するが、地域に根付く形のプロスポーツと、海外から数多の競技が一堂に会する五輪を単純比較することはおかしい」(男性、44歳、埼玉)

 感染のリスクについて、感染症対策に詳しい関西福祉大の勝田吉彰教授(渡航医学)はこう語る。

「実際、密を作らない対策が出来ているかどうかが重要ですが、政府はそれをしっかりと示しきれていない。だから、不安も絶えない。また、会場内で対策をしたとしても、会場の外や少し離れた駅前や公園などでは、興奮冷めやらぬ観客が肩を組んだり、盛り上がることも考えられる。そうした中で感染を防ぐことはかなり困難と言える。やはり無観客が望ましいです」

 さらに、アンケートの回答には「五輪だけは特別」という政府の姿勢が透けて見えるという声もあった。

「舞台・音楽・スポーツイベントの主催者はスポンサーも招待も関係なく上限を設定されていて、それを守っている。明らかなダブルスタンダードではないのか。人命に関わる事態において、なぜそのような特例を作るのか」(女性、43歳、アメリカ)

 他方で「適当だと思う」と回答した人たちからはこんな声があがった。

「国内居住者のみの観戦ならプロ野球等と同じ枠組みにするのは妥当であると思う」(男性、22歳、千葉)

「密ではない。通勤電車より疎である」(男性、62歳、東京)

「7月に開催される、サッカーヨーロッパ選手権は7万人。私権を制限するな!」(男性、50歳、神奈川)

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「『危険・不安』の根拠しかない」の声も