7月5日からはリリースツアーが始まる。コロナ禍でしか見られない「Ken Yokoyama」を見せると語った(撮影/高橋奈緒・写真部)
7月5日からはリリースツアーが始まる。コロナ禍でしか見られない「Ken Yokoyama」を見せると語った(撮影/高橋奈緒・写真部)

――来月にはリリースツアーも始まります。7月5日の「Zepp Osaka Bayside」を皮切りに、東京、名古屋と全3カ所を回りますが、どのようなライブになりそうですか。

 ガイドラインに沿って、椅子も一つずつ開けるなど、ソーシャルディスタンスを徹底して行います。これまでとは環境がまったく違う中での開催ですが、逆に、「今までやれなかったことにトライできる」と、前向きにとらえています。通常であれば、人気のある曲をつなげたりして、あのカオスな光景を作り出そうとしますが、今回はこれまでライブではやってこなかったような曲をあえて入れたりとか、いろんなことにチャレンジしようと考えています。こんな「Ken Yokoyama」は、コロナ禍でしか見られないと思いますよ。

――ツアー中も「まん延防止等重点措置」が適用されており、コロナ禍での開催には、もしかしたら批判もあるかもしれません。

 批判は基本的にはスルーします(笑)。もちろん、芯をくった批判だったら真摯に受け止めますが、どうでもいい批判が多いですからね。例えば、ツイッターで「僕、呼吸しています」ってつぶやいたら「するな」ってやつが出てきたり、今は何を言っても批判される。「サタニックカーニバル」の開催と同じで、批判は覚悟の上です。もちろん、簡単に決めたことではありません。悩みに悩み抜いて、「自分たちの曲を殺さないためにはどうすればいいか」を考えた結果です。新しい作品を出した以上は、やっぱり人前で演奏したい。そうしないと、曲が育っていかないんです。自分の作った音楽が「誰かの人生に入り込む」、それこそが、僕の音楽家としての最大の幸せだと思っていますから。

(聞き手・構成=AERAdot.編集部・岡本直也)