「お騒がせロイヤル」の宝庫、ノルウェー王室。国じゅうを騒がせているのは、国王夫妻の長女でホーコン皇太子の姉、マッタ・ルイーセ王女(49)と恋人のスキャンダルだ。

 ルイーセ王女の皇位継承権は第4位。昔から妖精やおとぎ話が大好きで、「不思議ちゃん」として、有名だった。

 長ずると、ホメオパシーやスピリチュアルに傾倒。そうした「治療」を行う「天使の学校」を設立して、医学会から批判を浴びる騒ぎも起こした。

 ノルウェーの王室メンバーは、選ぶお相手も個性的だ。王女は、作家で芸術家の夫と3人の娘と一緒にロンドンで暮していたが、平穏とは言い難い生活だった。全裸の男性や女性と一緒にポーズをとった夫の写真は2012年、新聞に大きく掲載されて注目を集めた。
 
 この個性的な夫婦は16年に離婚するが、国民の評判はそう悪くない。王女と芸術家の元夫が、「私たちも人間だ」と訴える姿に、国民は心を打たれたという。

ルイーセ王女とシャーマンの恋人 本人Instagram より</p>

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ルイーセ王女とシャーマンの恋人 本人Instagram より

「お騒がせロイヤル」の国民は、感動の余韻に浸る間もない。離婚からわずか3年で、ルイーセ王女は新恋人と交際宣言をした。お相手は、なんと死者と対話できるというシャーマン(霊媒師)の米国人だった。斬新ではあるが、法に触れるような問題がなければ、お相手選びは王女の自由だ。
その先がいけなかった。

 ルイーセ王女は、霊媒師の恋人デュレク・ベレットと一緒に、「王女とシャーマン」と題した有料の講演ツアーを主催し出した。もちろん、「王室の肩書をビジネスに利用した」、と批判を浴びた。王女は結局、「王女」の肩書を商売に利用しないと、SNSのインスタグラムを通じて謝罪した。

 王女は、どのような形でけじめを示したのか。

 出した結論は、インスタグラムを使い分けることで「公」と「私」を線引きし、けじめをつけたのだ。つまり、王室メンバーとしての「プリンセス・ルイーセ」と、個人である「ルイーセ」。この2つのアカウントを使い分けることにしたのだ。

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国民に過ちを認める正直さと少しの駆け引き