自民党の議連に5月、そろって出席した安倍前首相と右は麻生副総理兼財務相(C)朝日新聞社
自民党の議連に5月、そろって出席した安倍前首相と右は麻生副総理兼財務相(C)朝日新聞社

 原田議員は麻生派で栗原県議は農水相などを歴任した太田誠一元農水相の秘書だった。

「麻生氏と太田氏は昔から仲よくないからね。山口選対委員長が仲介しても栗原氏は勝てると踏めば、出馬しそうだよ。原田氏はあまり選挙に強くないしね」(自民党幹部)

 一方、自民党の高知県連は常任総務会を5月30日、開催した。現職で元農水相の山本有二衆院議員ではなく、高知県の尾崎正直前知事を次期衆院選高知2区の公認候補にすることを承認し、党本部に申請することになったのだ。

 これまで県連と対立してきた山本議員。しかし、この日は常任総務会に出席し、「高知県連に一任をする」と神妙に発言した。高知2区だけは、保守分裂」を回避した恰好だ。

「自民党では選挙の前に身内と争う”仁義なき戦い”に勝たねばならない。ただ党本部としては保守分裂になると、野党を利することにつながるので避けたい。本2区、鹿児島の1区と2区、新潟1区でも自民党系候補が複数、名乗りをあげている。派閥の意向もあり、簡単に片付く問題じゃない。選挙まであとわずかなのに、大丈夫かとの声もあがっている」(前出の自民党幹部)

 衆院の解散総選挙を控え、まだまだ波乱がありそうだ。

(AERAdot.編集部 今西憲之)

著者プロフィールを見る
今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

今西憲之の記事一覧はこちら