アントシアニンは紫キャベツのほか、ブドウの皮やブルーベリーなどにも含まれる。ブルーベリーをホットケーキミックスに混ぜて焼くと、ホットケーキミックスに含まれる成分により生地がアルカリ性になり、生地の色が青っぽく変色する。これにレモン果汁をかけると、そこの部分だけピンクに変色する、という実験もできる。

(2)新聞紙で割りばしが真っ二つ?

 続いて行ったのは、ふだんは意識することのない空気の重さ=「大気圧」を実感することができる実験だ。「科学探偵」シリーズでは、大気圧を利用してあっと驚く現象を起こすトリックが登場する。

二つ折りにした新聞紙を机に広げ、机と新聞紙の間に割りばしをはさむ。新聞紙と机にはできるだけすき間をつくらないようにする
二つ折りにした新聞紙を机に広げ、机と新聞紙の間に割りばしをはさむ。新聞紙と机にはできるだけすき間をつくらないようにする

 準備するものは新聞紙と割りばしだけ。手をケガしないように軍手をはめて行う。まず新聞紙を二つ折りにして机に広げ、机と新聞紙の間に割りばしをはさむ。割りばしは机から半分程度はみ出させ、新聞紙と机の間にはすき間をできるだけつくらないようよく伸ばす。

はみ出した割りばしに向けてすばやく手刀を落とすと
はみ出した割りばしに向けてすばやく手刀を落とすと

 準備はこれだけ。そこから、机からはみ出した割りばし部分にスピーディーに手刀を落とすと――新聞紙は破れず、割りばしが真っ二つに折れる!

割りばしが真っ二つに折れる!(この実験は大人と一緒にやってください)
割りばしが真っ二つに折れる!(この実験は大人と一緒にやってください)

 新聞紙がめくれない大きな原因は、新聞紙の上からかかっている大気圧だ。大気には、1センチ×1センチ=1平方センチメートルという小さい面積に、約1キログラムの力がかかっている。新聞紙を二つ折りにすると面積はだいたい2200平方センチメートル。ということは、このときの大気圧はだいたい2200キログラム=2.2トン。2トントラック1台分の大気圧がのっかっていることになる。

 大気圧は上からだけでなく、四方八方からまんべんなくかかっているため、ふだん暮らしていて「大気圧が重たい……」と感じることはまずない。今回の実験でも、割りばしと新聞紙の間に空気が入り込んでしまうと、大気圧が下からもかかって上からの力とつりあい、割りばしをおさえこむ力がなくなってしまう。すばやく割りばしに手刀を落とすと新聞紙と机の間に空気がそれほど入り込まず、上から新聞紙をおさえこむ大気圧の力が大きく上回るため、割りばしが折れるというしくみだ。(こちらの実験も必ず大人が立ち会って行ってください)

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もうひとつの実験は…