守屋絢子さんの結婚晩さん会(c)朝日新聞社(代表撮影)
守屋絢子さんの結婚晩さん会(c)朝日新聞社(代表撮影)

――皇族数の減少も課題です。公務の負担を軽減するために、女性宮家の創設や、一般人となってからも「皇女」の呼称を贈って公務を継続してもらう案、旧宮家の皇籍復帰などが検討される予定です。

河西:旧宮家の皇籍復帰はなかなか厳しいと思います。すでに一般の国民として生活している人が、明日から急に皇族に、そして皇位継承者になれるでしょうか。皇族として育てられ、常に皇族として国民の視線にさらされ、その役割を果たすべく努めてきた方と、一般社会で生活してきた人とはやはり意識や立ち振る舞いが違います。

 復帰の可否についての線引きも難しいですね。旧宮家の中で手を上げた人を皇族とするのでしょうか。手を上げない人も出てくるかと思います。そうなると、手を上げさせてその「地位を利用しよう」という人が今後出てくる可能性も否定できません。もし、皇籍復帰してから、皇族にふさわしいと思えない言動が明らかになれば、皇室は傷つくことになるでしょう。

眞子さまと佳子さま(c)朝日新聞社(代表撮影)
眞子さまと佳子さま(c)朝日新聞社(代表撮影)

――女性皇族結婚後も公務を続けられるようになる女性宮家の創設や、「皇女」の称号を贈る案(公務を委嘱する案)については、何も問題はありませんか。野田政権時代の2012年には、女性宮家創設と公務を委嘱する案を併記するかたちで「論点整理」が公表されました。いずれの案も対象を「内親王」に限定しています。

河西:私は、女性天皇・女系天皇を認めると同時に、女性宮家の創設が問題の解決策として適していると思いますが、現実的には皇室典範の改正が不要な委嘱案が落としどころになるのかもしれません。

 ただ、女性宮家を創設せず公務を委嘱する案も難しい課題がついてまわります。この案では、結局、皇位継承の安定化にはつながりません。皇族は減っていく一方です。また、女性皇族は結婚を機に皇籍を離れて一般の国民となるわけですから、結婚後は職業選択の自由がある。「この仕事に就きなさい」と強制をするようなことが、国の制度として許されるのでしょうか。

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国民は眞子さまを当てはめて考える