笑顔がまぶしい眞子さま(c)朝日新聞社
笑顔がまぶしい眞子さま(c)朝日新聞社

 安定的な皇位継承策などを検討する政府の有識者会議が先日、ようやくスタートした。女性・女系天皇や女性宮家創設の是非などについて議論する。小泉政権時代から断続的に検討されてきた課題だが、着地点に影響を与えそうなのは、眞子さま結婚問題だ。象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院人文学研究科准教授(歴史学)の河西秀哉さんに論点を聞いた。

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――政府の有識者会議が3月に設けられました。女性宮家の創設等は、2017年に天皇退位の特例法を制定した際、付帯決議に記された課題です。法施行後速やかに検討することを政府に求めていました。

河西さん(以下敬称略):公には、代替わりの一連の行事が終わるのを待って設置したということになっていますが、政府の本音としては「仕方なく」ではないでしょうか。付帯決議に記された以上、何もしなければと不作為と言われかねません。

 安倍晋三前首相は、この問題を触りたくないのは明らかでした。皇位継承は男系男子に限定すべきだという保守の支持層を刺激することになりますから。また、悠仁さまがいますので、当面の間は後継ぎの心配はないので、先延ばしにできたのです。

対して菅義偉首相は、この問題に特に思い入れはないように見えます。

2018年12月撮影(c)朝日新聞社(宮内庁提供)
2018年12月撮影(c)朝日新聞社(宮内庁提供)

――主な論点の一つ、皇位継承についてご意見をうかがいます。これまでどおり、父方に天皇の血を引く男系男子による継承は限界にきているように思えます。現時点での皇位継承者は秋篠宮さま秋篠宮家の長男の悠仁さま、上皇陛下の弟の常陸宮さまの3人です。しかし、仮に男系男子に限らないとすれば、女性天皇ならばいいのか、女系天皇も認めるのか。そこでも意見は分かれます。

河西:いまの制度では将来、悠仁さまと結婚される方は「男子を産まなければいけない」という相当なプレッシャーにさらされることになります。それで男子が産まれるとは限りませんし、そもそも必ず子どもを授かるとも限りません。男系男子に限るというのは、安定的な皇位継承のあり方とはいえないのではないでしょうか。

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