「こんな展示の機会を与えられた」三好耕三のフィルム写真愛とチャレンジ (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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「こんな展示の機会を与えられた」三好耕三のフィルム写真愛とチャレンジ

「櫻覧」田代平、Iwate 2008(撮影:三好耕三)

「櫻覧」田代平、Iwate 2008(撮影:三好耕三)

 写真家・三好耕三さんの作品展「SHASHIN 写真」が3月22日から東京・品川のキヤノンギャラリー Sで開催される。三好さんに聞いた。

【写真】三好耕三さんのモノクロ作品

「写真」というタイトルの写真展。人を食ったように感じる読者もいるかもしれないが、三好さんは大まじめだ。

「展示するのは大きな意味で、自分がやっていること。だから、タイトルは『写真』なんです」

 今回の写真展はこれまでの三好さんの個展とはかなり趣が異なる。この会場で写真展を開催すること自体が大きなチャレンジだと感じた。

「ここではデジタルのプリントを展示するのが前提なんです。私がずっとやってきた仕事は、この意向とはそぐわないことでした」
「ROOTS」NE B-1 1987(左)、NE D-3 1988(撮影:三好耕三)

「ROOTS」NE B-1 1987(左)、NE D-3 1988(撮影:三好耕三)

同じモノクロの作品でもフィルムとデジタルではまったく別物

 1970年代に作家活動を始めて以来、一貫して大型カメラとモノクロフィルムで風景や物を写してきた三好さんは、こう言う。

「私にとってはモノクロ写真の魅力というのは、『もの』として出来上がった作品のプリントの魅力なんです」

 三好さんの「フィルム写真愛」は筋金入りで、同じモノクロの作品でもフィルムとデジタルではまったく別物という。数年前の取材では、こう語っていた。

「例えば、案内をいただいて展覧会に行くと、デジタルカメラで撮影したインクジェットのプリントが展示してあって、がっかりして帰ってくるんです。なんで『ポスター』を額に入れて人に見せるんだろうって、思いますね」

「ぼくはデジタルカメラっていうのは印刷物をつくる道具のひとつだと思っている。デジタルで撮影した作品を写真集に印刷して見せるのはわかります。でも、なぜそれをプリントして、作品として見せるのか。その感覚はぼくにはわからない」

「写真については、はっきりとものを言う」のがポリシー。しかし、こう言われた方はたまったものではない。写真家仲間との人間関係がこじれてしまいかねない。そのため、昔は親しい友だち以外とは写真の話をすることはなかったという。

 写真について積極的に発言をするようになったのは60歳をすぎてからだ。

「年寄りが言っていることだから、がまんして聞いてくれ、って(笑)」

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