また、英翔氏の勾留中である3月26日、奏太氏と共同で使用していたGoogleアカウントの検索エンジンには、「犯罪歴 YouTube 収益化」「犯罪者 YouTube 収益化」と検索していた履歴が残っていたという(画像参照)。これを検索したとみられる奏太氏側は、英翔氏が逮捕されればYouTubeの収益化が困難になることや、復帰が難しくなることを気にかけていた様子がうかがえる。

英翔氏の勾留中、二人が共同で使用していたGoogleアカウントに残されていた検索履歴
英翔氏の勾留中、二人が共同で使用していたGoogleアカウントに残されていた検索履歴

 逮捕から1週間後の3月23日、奏太氏は動画投稿を開始。現在は17万人超の登録者がいて、コメント欄には同情や応援の声が多く寄せられている。

 英翔氏の勾留が明けたのは3月27日。英翔氏の知人は、「奏太くん一人ではこうなっていない。スタッフのB氏が後ろについていることが大きい」と指摘。英翔氏も「B氏は給与支払いの面で過去に僕と対立した事があります。僕を排除して、奏太と組んだほうが都合がよかったのかもしれません」と話す。

 今年4月、奏太氏は英翔氏に対し、動画の利益金分配請求を主張する形で提訴。10月29日から始まる民事裁判で、「支払い義務の有無」をめぐって争うこととなる。

「英翔くんがかわいそうすぎる。方向性の違いがあっただけで、もともとは五分五分だったと思う。でも、スタッフぐるみではめられて、結果的に英翔くんが10:0でぼこぼこにやられている。ひどすぎて、自殺しちゃうんじゃないかと心配になったほどです。ひっかき傷で逮捕はかわいそうすぎます。せめて、5:5に戻してあげてほしい」(前出の関係者)

 智美さんも涙声でこう語る。
「YouTubeでの誹謗中傷がひどくて、今回のことでお兄ちゃんが死んじゃうんじゃないかと、本気で心配しました。胸ぐらをつかんだのはお兄ちゃんが100%悪いですが、それ以上に口座差し押さえのようなことまでされている。真実をわかってほしい。世間に本当のことが1割も伝わっていないことが、本当に悔しい」

 取材の最後に英翔氏はこう話した。

「僕にとって彼は家族であり何でも話せる親友でした。仕事を共にする中で、親友だったはずの彼の気持ちに気づけなかったのは僕の責任だと思っています。ただ、実際にあった事と大きく違う部分だけが視聴者に知れ渡ってしまっています。本当にあったことを知ってほしい」

 英翔氏らの一連の主張に対し、奏太氏はどうとらえているのだろうか。

 逮捕当日の口座変更をはじめ、一連の行動について奏太氏に事実関係の確認を求めたが、「裁判で真実を明らかにしていきたいと思っているので、コメントは控えさせていただきます」と電話で答えるにとどめた。

 かつて仲睦まじかった二人は、10月末から法廷の場で争うことになる。「キットチャンネル」で見せていた二人の笑顔が、今となってはしのばれるばかりである。(AERAdot.編集部)