奏太氏は失踪から英翔氏の逮捕までの約2カ月の間に、個人チャンネルの開設や動画投稿に着手しつつ、診断書を取得して警察に被害届を提出したとみられる。また、逮捕当日には英翔氏の奏太氏に対する暴力行為が週刊誌に報じられ、奏太氏自身が取材に応じている。そして3月4日には、弁護士を通じて英翔氏の銀行口座の預金を全額、仮で差し押さえるなどの行動をとっているという。

 失踪、英翔氏の逮捕、そして個人YouTubeチャンネルの開設まで。こうした一連の行動について、関係者らは不可解な点が多すぎると指摘している。

 さらに不可解なことが続く。英翔氏の逮捕直後、奏太氏とスタッフのB氏ら数人が、英翔氏の自宅に押しかけてきたという。この時、家には英翔氏の交際相手がいたが、B氏の指示で家の外に出されたという。

 英翔氏によると、実はこの日、キットチャンネルの収益が入る振り込み先が奏太氏の口座に変更されたという(画像参照)。

英翔氏の逮捕当日、キットチャンネルの収入が入る口座が変更されていた
英翔氏の逮捕当日、キットチャンネルの収入が入る口座が変更されていた

「僕はこの時逮捕されていましたから、変更することはできません。当時、パスワードを知っていたのは僕と一部のスタッフだけだったので、そのスタッフが口座を変えたか、奏太に教えたとしか考えられません」(英翔氏)

 また、逮捕当日、智美さんのもとに、スタッフを通じて「奏太が電話したがっている」という連絡が届いた。スタッフの指示どおり、智美さんは奏太氏に電話した。すると、奏太氏は「昔、お兄ちゃんに何かひどいことされた?」「嫌なこととか痛いこととかされた?」などと、何度もしつこく聞いてきたという。智美さんは「いいお兄ちゃんだから。兄弟げんかぐらい」と答えたが、まるで誘導尋問のようなしつこいやりとりに、不信感を抱いた。さらに、電話越しでは、奏太氏だけではなく数人の声も聞こえていた。「(スタッフの)Bさんいるの?」と聞いたら、B氏本人の声で「いるよ」と返事があったという。

「スピーカーを入れて、スタッフみんなで会話を聞いていたのかもしれません。質問も誘導尋問みたいで、録音されているんじゃないかと怖かった」(智美さん)

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これらの主張に、奏太氏は