世界中のスラム街や犯罪多発地帯を渡り歩くジャーナリスト・丸山ゴンザレスが、取材先でメモした記録から気になったトピックを写真を交えて紹介する。

【写真】まるで屋敷!?ドイツの風俗「FKK」がこちら

カリスマ海外風俗ブロガーのJOJOさん。海外風俗に知的なアプローチをする
カリスマ海外風俗ブロガーのJOJOさん。海外風俗に知的なアプローチをする

■加速する“個人売春”の流れ

 前回の本連載では、「カリスマ海外風俗ブロガー」と呼ばれ、YouTuberでもあるJOJOさんに、海外風俗の現状について話を聞いた。外国人観光客たちのインバウンド需要を見込んでいた風俗店は厳しい経営状況にあることは、前回述べたとおりである。

 そしてJOJOさんは、今後、各国の風俗業界である“共通の変化”が起きると考えている。

「コロナ禍以前から増え始めていた『個人売春』の流れが、今後さらに加速するのではないでしょうか」

 実は、世界のグローバル化やデジタル化によって、近年では実店舗ではなく、SNSや出会い系アプリを介した「個人売春」が流行しつつあった。「クラウド売春」などと呼ぶ人もいる。

 特に興味深いのは、海外に出た売春婦が現地の国でクラウド売春をするケースもあることだ。たとえば某国の売春婦が東京に来て、SNSを使って客をとるようなことも実際に起きているという。JOJOさんの言う「個人売春が加速するのでは」という予測は、そうした実情を踏まえてのことだ。

 海外からの観光客の需要に頼っていた風俗店は、閉店するかどうかの瀬戸際に立たされている。なかには実質的に閉店状態の店もあるだろう。それらの店の復活を待つよりも、自分たちで商売したほうが早いと考える人は多いのではないかという読みなのだ。

「観光客が戻ってくれば、営業を再開できる風俗店舗もあるでしょう。ただ、まだまだ時間がかかるのではないでしょうか」

 加えて、仮に日本人が海外風俗に行くには、ハードルが高そうだ。

「『日本=東洋人=コロナ=危ない!』という風に、コロナ禍が収束しても、外国人が敬遠されることは起こりえますよね」

 新型コロナウイルスが中国で最初に流行したことから、同じアジア人である日本人も、海外で差別されるケースはいくつも報道されている。アフターコロナの海外風俗は、どのようになっていくのだろうか。(文/丸山ゴンザレス)

※次回の本連載は10月1日(木)午後5時配信の予定です。

●JOJO
海外風俗ブロガー、YouTuber。ブログ「WORLD SEX TRIP」は月間90万PV、YouTube「JOJO Channel」は登録者数25万人超。「エロ」をテーマに4年間かけて世界一周。これまでに訪れた国は100か国以上。8月19日に「世界の女が僕を待っている WORLD SEX TRIP」(イースト・プレス)を出版。JOJOさんのブログ「WORLD SEX TRIP」はこちらhttps://worldsextrip.com
Twitter:@WORLD_SEX_TRIP

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丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス/1977年、宮城県出身。考古学者崩れのジャーナリスト。國學院大學大学院修了。出版社勤務を経て独立し、現在は世界各地で危険地帯や裏社会の取材を続ける。國學院大學学術資料センター共同研究員。著書に『世界の危険思想 悪いやつらの頭の中』(光文社新書)など。

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