世界中のスラム街や犯罪多発地帯を渡り歩くジャーナリスト・丸山ゴンザレスが、取材先でメモした記録から気になったトピックを写真を交えて紹介する。

【写真】ゴンザレスが着用したバンダナマスクが怖すぎる…

ランニングする人の口元にもマスクが当たり前になりつつある。アメリカで根強い「マスクは病人が着けるもの」という認識が変わるかもしれない(写真提供/Hitoshi Saito  @hitoshisaito_)
ランニングする人の口元にもマスクが当たり前になりつつある。アメリカで根強い「マスクは病人が着けるもの」という認識が変わるかもしれない(写真提供/Hitoshi Saito @hitoshisaito_)

■割引セールをする店も アメリカでの外出制限下の意外な楽しみ方

 緊急事態宣言が延長された。発令から二ヶ月目に突入していくわけだが、日本よりも先に宣言が出され、ロックダウン(都市封鎖)された場所は世界中にいくつもある。そのうちの一つであるアメリカは、段階的に解除の方向に向かっているようだが、全面的な開放には程遠い。

 ロサンゼルスの友人に、暮らしぶりについて聞いてみた。

「ストレスはたまるよ。サンタモニカもビーチが閉鎖されているし、どうしようもないね」

 ビーチには警察が張り込み、フェンスが設置されて入れなくなっているという。ただ、現地の在住者が驚いたのは別のことだ。

「アメリカ人がマスクをしている。それもランニング中に!」

 アメリカではマスクは「病人が着けるもの」という認識が強く、日本のように予防のために着ける人はほとんどいない。だが、その認識が今回のコロナ騒動で変わるのではないかという声もある。

 以前、この連載の『丸山ゴンザレス「あなたよりも“N95マスク”を必要としている人がいるかもしれない」』(4月23日配信)で写真付きで紹介した“バンダナマスク”については、前出の友人からツッコミが入った。

「同じようなバンダナマスク姿の人をよく見ます。今、マスクが手に入らない人はバンダナを着用してるんですよ」

 バンダナマスクで商業施設に行くとは、はたからみれば完全に強盗スタイルである。普段なら入店を断られるところだろう。だが、今では問題なく買い物できるそうだ。そこでも一定の距離を保って並ぶため、店内には長い行列ができているらしい。

 このあたりのところは日本で起きていることと似ている。その他にはどのように過ごしているのか。

「ショッピングだね」

 この時期に、いったいどういうことか。

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丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス/1977年、宮城県出身。考古学者崩れのジャーナリスト。國學院大學大学院修了。出版社勤務を経て独立し、現在は世界各地で危険地帯や裏社会の取材を続ける。國學院大學学術資料センター共同研究員。著書に『世界の危険思想 悪いやつらの頭の中』(光文社新書)など。

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