まず、位置情報を取得するにはGPSを使う。GPS(グローバル・ポジショニング・システム)は米国が打ち上げた人工衛星を使った測位システムの名称で、他国が打ち上げた衛星も含めてGNSS(グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム)という。とはいえGPSという呼び方で定着してしまったし、日本で使うGNSSは基本的にGPSなので、一般にはGPSでもよいだろう。

 GPS受信機は近年ものすごく小型化されておりカメラに内蔵するのも難しくないが、現在では内蔵しているカメラは少ない。デジタル一眼だとキヤノンのミドルクラス以上のモデルやオリンパスのOM−D E−M1Xなどわずかだ。

 一方で、ほとんどのGPSを内蔵していないデジタルカメラの場合は、別途GPS受信機を用意する……、といっても、専用のGPS受信機を用意するのは大変なので、多くの人が日常的に使っている機器を利用するのがおすすめ。それはスマートフォンだ。

 スマートフォンには必ずGPSなどGNSSの受信機能があり、さらに基地局の電波や無線LAN(Wi−Fi)の電波などを利用して素早く正確に常時現在地を把握している。

スマートフォンで撮った写真は位置情報アリ。写真はiOSのもの。地図上に今まで撮影した写真を表示する機能があるので、場所から探せて便利。地図を拡大して絞り込める。写真アプリで写真を開いて上にスライドさせても確認できる
スマートフォンで撮った写真は位置情報アリ。写真はiOSのもの。地図上に今まで撮影した写真を表示する機能があるので、場所から探せて便利。地図を拡大して絞り込める。写真アプリで写真を開いて上にスライドさせても確認できる

 それを使いカメラによってはスマートフォンの位置情報を自動的に転送する機能が用意されている。スマートフォンとカメラをBluetoothで常時接続し、撮影のたびにそのときの位置情報をカメラに転送して写真に書き込むのだ。自動的に行われるので、すごく便利だ。自動転送機能がなくても、専用アプリでGPSログだけをとっておき、あとでスマートフォンからカメラを接続して、位置情報を後付けできる機種もある。

 ただ、精度や使い勝手、実用性はスマートフォンのアプリに依存するところがあり、すべてのメーカー/カメラで実用的なレベルで動作するとは限らない。

 カメラのメーカーや機種に依存しないのが、撮影後にパソコンを使って位置情報をつける方法だ。

 スマートフォンで、位置情報を細かく記録するGPSロガー機能を持ったアプリを使うと、その日の移動記録を残せる。GPSを常時働かせるのでバッテリーの消費は大きくなるが、撮影旅行時にどこをどう移動したかの記録が残るので有用だ。

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