EOS Kiss X10iの撮像素子はAPS−CサイズのCMOSセンサーで有効約2410万画素。画像処理エンジンはEOS 90Dと同じDIGIC 8を採用している。測光センサーは約22万画素RGB+IRで216分割だ。光学ファインダー使用時はオールクロス45点の測距点を使用でき、EOS iTR AFによる顔優先機能が使える。


キットのダブルズームレンズをテレ端で使用。長焦点レンズ使用時にもホールディングバランスは良好だ。ISO感度オート設定にしたところ、ISO1600を示した。手ブレ補正のあるレンズでも、安心感を選ぶプログラムなのだろう。もちろん画質的には何ら問題はないし、廉価なレンズだが写りは良好だ●EOS Kiss X10i・EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM・250ミリ時・AE(絞りf8・640分の1秒・-1補正)・ISO1600・AWB・JPEG
キットのダブルズームレンズをテレ端で使用。長焦点レンズ使用時にもホールディングバランスは良好だ。ISO感度オート設定にしたところ、ISO1600を示した。手ブレ補正のあるレンズでも、安心感を選ぶプログラムなのだろう。もちろん画質的には何ら問題はないし、廉価なレンズだが写りは良好だ●EOS Kiss X10i・EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM・250ミリ時・AE(絞りf8・640分の1秒・-1補正)・ISO1600・AWB・JPEG

 ライブビュー時のAFはデュアルピクセルCMOS AF。画面表示範囲の横約88×縦約100%になり、AFエリア分割数はEOS Kiss X9iの49から最大143分割へと大幅に増えた。感度は最高でISO2万5600、拡張ではISO5万1200だ。
 コマ速度はEOS Kiss X9iの約6コマ/秒から約7コマ/秒と高速連写が可能になり、ライブビュー使用時にもAF固定で約6コマ/秒から約7.5コマ/秒になった。

 なんといっても大きな注目点はEOSの象徴的機能ともいえるサブ電子ダイヤルが新設されたこと。この意味はとても大きく、上位機とほぼ同様に操作できるようになった。Kissは単なるビギナー向けの一眼レフからステージが一つ上がったようだ。

【回して選ぶサブ電子ダイヤル】十字キーの周りが回転する。上位機のそれより少し小さめだが、この存在によりEOS上位機のサブカメラとして使えると判断できるほど重要な役割を担う。操作設定、画像再生が便利になる
【回して選ぶサブ電子ダイヤル】十字キーの周りが回転する。上位機のそれより少し小さめだが、この存在によりEOS上位機のサブカメラとして使えると判断できるほど重要な役割を担う。操作設定、画像再生が便利になる

 正直なところEOS Kiss X10iは、デザイン的にも機能面も新鮮味には乏しい。ただ、伝統のKissの正常進化モデルとしてしっかりとまとめ上げてきている。小型・軽量だがグリップ感もよく、長焦点レンズを装着しても、ホールディングバランスがよいのは好印象である。

 筆者自身、EOS Kissシリーズは初代から愛用しており、小型・軽量という特徴がとても気に入っている。現在もEOS Kiss X7を愛用しているが、不満はスペックよりもレスポンスが遅いことである。とくにライブビュー時のAF動作には失望させられる。

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