EOS Kiss X10iの撮像素子はAPS−CサイズのCMOSセンサーで有効約2410万画素。画像処理エンジンはEOS 90Dと同じDIGIC 8を採用している。測光センサーは約22万画素RGB+IRで216分割だ。光学ファインダー使用時はオールクロス45点の測距点を使用でき、EOS iTR AFによる顔優先機能が使える。
ライブビュー時のAFはデュアルピクセルCMOS AF。画面表示範囲の横約88×縦約100%になり、AFエリア分割数はEOS Kiss X9iの49から最大143分割へと大幅に増えた。感度は最高でISO2万5600、拡張ではISO5万1200だ。
コマ速度はEOS Kiss X9iの約6コマ/秒から約7コマ/秒と高速連写が可能になり、ライブビュー使用時にもAF固定で約6コマ/秒から約7.5コマ/秒になった。
なんといっても大きな注目点はEOSの象徴的機能ともいえるサブ電子ダイヤルが新設されたこと。この意味はとても大きく、上位機とほぼ同様に操作できるようになった。Kissは単なるビギナー向けの一眼レフからステージが一つ上がったようだ。
正直なところEOS Kiss X10iは、デザイン的にも機能面も新鮮味には乏しい。ただ、伝統のKissの正常進化モデルとしてしっかりとまとめ上げてきている。小型・軽量だがグリップ感もよく、長焦点レンズを装着しても、ホールディングバランスがよいのは好印象である。
筆者自身、EOS Kissシリーズは初代から愛用しており、小型・軽量という特徴がとても気に入っている。現在もEOS Kiss X7を愛用しているが、不満はスペックよりもレスポンスが遅いことである。とくにライブビュー時のAF動作には失望させられる。