子どもや孫世代に伝えたい 職人の紡ぐ一生ものと春の京菓子 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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子どもや孫世代に伝えたい 職人の紡ぐ一生ものと春の京菓子

連載「京都暮らしの四季暦」

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ナカムラユキdot.#旅行#神社仏閣
京町家の風情が味わい深い「糸六商店」店内には色とりどり164色の糸が並ぶ

京町家の風情が味わい深い「糸六商店」店内には色とりどり164色の糸が並ぶ


 国内外の人々を惹きつけてやまない京都。その四季折々の魅力を、京都在住の人気イラストレーター・ナカムラユキさんに、古都のエスプリをまとったプティ・タ・プティのテキスタイルを織り交ぜながら1年を通してナビゲートいただきます。愛らしくも奥深い京こものやおやつをおともに、その時期ならではの美景を愛でる。そんなとっておきの京都暮らし気分をお楽しみください。


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■春の節句と京で出合える一生もの   

 3月に入り桃の花が開く頃になると、春本番まであと少し。鴨川岸の野花も咲き始め、背中にポカポカと受ける太陽の暖かさを感じながら、歩くのが楽しみになってきます。この時期、京の和菓子店の店頭も色とりどりに華やぎ、眺めているだけでもしあわせな気分になりますね。

 さて、今回は雛祭りの時期、京で見つける一生ものを探す旅にご案内します。私ごとではありますが、連載中に二人目の孫娘が産まれ、一生大切に出来る良いものを贈り、伝えたいと心より思うようになりました。ひとつ、ひとつに作り手のこだわりとぬくもりが感じられるものは、使っていくうちに生きていく上の助けとなり、ヒントを与えてくれるはずです。職人の街、京都で出合える良質の道具と春の味わいをご紹介します。

糸六株式会社(いとろくかぶしきがいしゃ)/「お裁縫箱」3万3000円/075―343―2525/京都市下京区松原通室町東入玉津島町298/営業時間9:00~17:00/定休日:土・日曜、祝日

糸六株式会社(いとろくかぶしきがいしゃ)/「お裁縫箱」3万3000円/075―343―2525/京都市下京区松原通室町東入玉津島町298/営業時間9:00~17:00/定休日:土・日曜、祝日

■必ず使うものだけが入っている 糸屋さんが作ったお裁縫箱 

 呉服の町、室町通のほど近く、古い佇まいを残した京町家の奥に “へのへのもへの”のマークで馴染み深い糸屋さん「糸六」があります。懐かしくレトロな雰囲気の糸巻きのパッケージは今も変わらず、多くの人に愛され続けています。創業は1871(明治4)年、糸商としてはじまり、三代目の六治郎さん(通称・糸屋の六さん)の口癖「いつもニコニコ笑顔で糸を売らしてもらう」から、愛嬌のあるマークが誕生しました。

 初めて訪れた時に、ひと目ぼれしてしまったのは、名入れもしていただけるお裁縫箱です。ロゴの焼印が入った桐箱には正絹の真田紐がかけられ、中には木製の駒巻の木綿糸、職人さんがひとつひとつ丁寧に手作られたカブラ型握り鋏、真田紐のカバー付きメジャー、和柄の古布で作られた針山、ガラス瓶の中にはガラス玉のまち針……「老舗の糸屋の目線で、使い勝手が良く良質で、必ず使うものだけを入れてます」と、五代目の今井登美子さん。隅々にまでこだわりを感じ、雑貨心もくすぐられる逸品。子どもや孫がお裁縫を始める時、嫁ぐ時、また自分への贈り物にもしたくなる一生もののお裁縫道具です。


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