復活した微粒子モノクロフィルム 富士フイルム「ネオパン100 ACROSII」 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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復活した微粒子モノクロフィルム 富士フイルム「ネオパン100 ACROSII」

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赤城耕一dot.#アサヒカメラ
●感度:ISO100
●感色性:オルソパンクロマチック
●フィルムサイズ:135(36枚撮り)、120
●価格:オープン(税込実売で135:1040円、120:1040円)
●URL:https://fujifilm.jp/

●感度:ISO100 ●感色性:オルソパンクロマチック ●フィルムサイズ:135(36枚撮り)、120 ●価格:オープン(税込実売で135:1040円、120:1040円) ●URL:https://fujifilm.jp/

 富士フイルムは2018年4月にネオパン100アクロスを含むすべてのモノクロフィルムと印画紙の販売終了を発表した。それから約1年が経った19年6月にネオパン100ACROSII(以下アクロスII)の開発を発表。11月22日に発売に至った。

 先の販売終了は、需要の減少と原材料の入手が困難になったためらしいが、一部の愛好家の要望に応え再生産に着手。原材料の代替品の研究や、新たな原材料に合わせ製造プロセスの見直しによりアクロスIIを開発したという。

 35ミリ判(36枚撮り)と120があり、今回はその両者を試用した。外箱をよく見ると底面の右脇にMADE IN UKの文字を見つけた。富士フイルムによれば、乳剤は足柄にある富士フイルムの工場で生産しているが、それより後の工程は外部に委託しているという。イギリスでモノクロ写真フィルムを製造しているのは、イルフォードやケントメアなどを製造・販売しているハーマン・テクノロジー社だけだ。アクロスIIも、同社に委託されているようだ。富士フイルムと同社との関係は深く一時期、短い間だがネオパン100プレストというモノクロフィルムがありMADE IN UKと印字され、フィルムベースの色はイルフォードデルタ100と似ていた。ただし、今回のアクロスIIは独自の仕様である。
旧アクロスよりもハイライト部の階調はメリハリがあり立体的な階調再現が可能という。性能変化は数本の試用ではわからなかった。ミクロファインの原液では少し硬いようで、希釈処理したほうがよさそうだ。ここでは王道の標準現像のコダックD-76で簡単なデータ出しをして処理した。粒子は目立たずエッジもシャープだ。露光量と現像液の種類と希釈率を探れば、好みの調子を生み出せる期待はある●ペンタックス スーパーA・smc PENTAX-FA 50mm F1.7・絞りf8・250分の1秒・ネオパン100 アクロスII(135)・D-76、1:1、20度、8分現像(撮影/赤城耕一)

旧アクロスよりもハイライト部の階調はメリハリがあり立体的な階調再現が可能という。性能変化は数本の試用ではわからなかった。ミクロファインの原液では少し硬いようで、希釈処理したほうがよさそうだ。ここでは王道の標準現像のコダックD-76で簡単なデータ出しをして処理した。粒子は目立たずエッジもシャープだ。露光量と現像液の種類と希釈率を探れば、好みの調子を生み出せる期待はある●ペンタックス スーパーA・smc PENTAX-FA 50mm F1.7・絞りf8・250分の1秒・ネオパン100 アクロスII(135)・D-76、1:1、20度、8分現像(撮影/赤城耕一)

 外箱を開くと旧アクロスでは外箱の裏側に現像時間のデータが印字されていたが、アクロスIIには見当たらない。詳しくはウェブサイトを見ろということだろう。120では、外箱を開くと銀色の包みが現れる。裏紙には富士フイルムの120フィルム独自の穴はなく、スプールへの位置決めは慎重に行いたい。また、フィルム巻き取り後のシールも省略されたので糊のついた紙をなめ、裏紙をしっかりとめる必要がある。

 現像方法はアクロスと同じと結論づけてよい。ベースが薄いのにヌケがいまひとつなのは釈然としないが、定着時間のコントロールで対応可能。現像液は同社推奨のミクロファインとコダックD-76の両方を試したが、35ミリ判に関してはある程度粒子を見せるほうが鮮鋭に見える場合もあるので使い分けてもいい。
旧アクロスと同様のSuper Fine-Σ粒子技術で世界最高水準の粒状性とのふれこみだ。120では粒子が見えない。自動現像機の処理で現像液は富士フイルムのスーパープロドールを使用。アクロスIIのポテンシャルは引き出せている。調子はいいが、わずかにネガのヌケが悪く、手処理で再定着した●ゼンザブロニカ SQ-
Ai・ゼンザノンPS 80mm
F2.8・絞りf4 1/2・125分の1秒・ネオパン100 アクロスII(120)・自動現像機(スーパープロドール)(撮影/赤城耕一)

旧アクロスと同様のSuper Fine-Σ粒子技術で世界最高水準の粒状性とのふれこみだ。120では粒子が見えない。自動現像機の処理で現像液は富士フイルムのスーパープロドールを使用。アクロスIIのポテンシャルは引き出せている。調子はいいが、わずかにネガのヌケが悪く、手処理で再定着した●ゼンザブロニカ SQ- Ai・ゼンザノンPS 80mm F2.8・絞りf4 1/2・125分の1秒・ネオパン100 アクロスII(120)・自動現像機(スーパープロドール)(撮影/赤城耕一)

 乳剤が富士フイルムのオリジナルなら、世界のどこで製造されようがアクロスIIには変わりない。国産ブランドのモノクロフィルム復活を素直に喜ぶべきだろう。

写真・文=赤城耕一

※『アサヒカメラ』2020年1月号より抜粋


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