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なぜ50ミリレンズは「標準レンズ」と呼ばれるのか

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35ミリ判のレンズ交換式カメラ用のレンズで最も大量に生産された単焦点レンズは50ミリだとされる

35ミリ判のレンズ交換式カメラ用のレンズで最も大量に生産された単焦点レンズは50ミリだとされる

 35ミリ判フィルム用のレンズは、その登場から50ミリが標準とされてきた。それは、ズームレンズが主流になった今でも変わりはしない。それはなぜか。ここでは標準レンズについてさまざまな角度から検証していく。

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■黄金の中庸だからこその50ミリ標準レンズの価値

 ここではカメラ/レンズメーカーとわれわれが標準としてとらえてきた焦点距離について話したい。撮影者がよく使う、常用レンズを標準レンズとすることもあるが、これは転用された言葉であろう。なお、35ミリ判フォーマットの標準レンズの焦点距離は50ミリ前後といわれている。ライカが誕生した時から標準レンズは50ミリだ。

 まずは実用面から50ミリ前後の焦点距離のレンズの位置づけと存在意義について考えてみたい。画面の対角線の距離の近似値の焦点距離を標準レンズとする説を否定はしない。けれど最初に結論めいたものを書いてしまうと、個人的には「目に優しい」写真を制作できるのが標準レンズだと考えたい。

 おそらく35ミリ判のレンズ交換式カメラ用のレンズで、これまで最も大量に生産された単焦点レンズは50ミリである。35~70ミリ/28~70ミリといった標準ズームレンズが、いわゆるキットレンズとして用意されたのは、1970年代の後半くらいからで、それまではカメラを買うといや応なくついてきたのは50ミリ単焦点レンズだった。標準50ミリレンズが、キットレンズの元祖だったということになる。

 ボディーとともに売られるから、それだけ大量に生産され、価格は低廉。ボディーとともに購入し、フィルムを装てんすればすぐ撮影できる。誰しもが最初に手にし、目で見た世界を写真に翻訳してくれるものだった。誰しも手にするレンズだからこそ、その性能はメーカーの沽券に関わるし、他の焦点距離の交換レンズへの信頼が揺らぎ、販売に影響することは避けなければならないとなれば、当然高性能である。

 メーカーによっては52ミリや55ミリ、58ミリといった焦点距離のレンズも標準とされた。これは一眼レフ用の標準レンズに多く、ミラー駆動距離をとるためにバックフォーカスが必要なので焦点距離を伸ばしたとされる。標準マクロレンズを標準レンズの代わりとして使う人も多く、マクロレンズも55~60ミリくらいの焦点距離が採用された。

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