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プロが選ぶ「50ミリ標準レンズ」名玉4本!

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赤城耕一dot.#アサヒカメラ
オリンパス光学工業
【ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2】
マクロレンズだけど、F2の開放絞りを採用したズイコー。マクロの大口径化は性能面では矛盾する要件が多いが、本レンズは描写面でよい解を見つけて落とし込んでいる感じがする

オリンパス光学工業 【ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2】 マクロレンズだけど、F2の開放絞りを採用したズイコー。マクロの大口径化は性能面では矛盾する要件が多いが、本レンズは描写面でよい解を見つけて落とし込んでいる感じがする

 50ミリ標準レンズは開放F値の違いによって価格差があるが、往時は誰しもが必ず一度は使うレンズであり性能面ではいずれも安心だ。しかも廉価でF値に無理のないタイプのレンズのほうが数値性能は高いことも多く侮れないし、いずれのレンズも名玉になる資質がある。

 レンジファインダーカメラ時代の50ミリ標準レンズはコンタックスがゾナータイプを、ライカがガウスタイプを選択している。それも一眼レフ時代を迎えると、至近距離撮影が可能になったためか、多くの50ミリ標準レンズはガウスタイプが基本になる。もちろん基本構成は同じでも、ゾナーとは描写の雰囲気が異なる。
リコーイメージング
【smc PENTAX-FA 
43mm F1.9 Limited】
画面の対角線を標準レンズと考え、それを律儀に実現。特段に性能が高いという感じはないが、ペンタックスユーザーには絶対に所有してほしいレンズ

リコーイメージング 【smc PENTAX-FA  43mm F1.9 Limited】 画面の対角線を標準レンズと考え、それを律儀に実現。特段に性能が高いという感じはないが、ペンタックスユーザーには絶対に所有してほしいレンズ

 一眼レフが本格的にデジタル化され高画素化が進むとレンズも次々と高性能化される。標準レンズもその例外に漏れず、構成枚数が増え、収差を完全に補正、抑え込む方向になる。レトロフォーカスタイプが多くなり、高性能化と同時に巨大化していく。
富士フイルム
【EBC FUJINON 
50mmF1.4】
開放絞りでは特段に際立つところがあるわけではないけれど、わずかに絞ったときのフォーカスのキレ、ボケ味の美しさがいい。現在のXシリーズ用のレンズが信頼できるのも、こうしたフジノンレンズがあったからだ

富士フイルム 【EBC FUJINON  50mmF1.4】 開放絞りでは特段に際立つところがあるわけではないけれど、わずかに絞ったときのフォーカスのキレ、ボケ味の美しさがいい。現在のXシリーズ用のレンズが信頼できるのも、こうしたフジノンレンズがあったからだ

 そして、ミラーレス時代を迎え、カメラはショートフランジバックに。再び撮像面にレンズの後玉が近づいた。ミラーの駆動距離を考慮する設計制約が取り払われ、レンズ設計者たちは思う存分腕をふるう。各社ともに光学性能の頂点を競う標準レンズが続々と登場、しかし従来にも増して、性能とトレードオフでレンズは構成枚数が増していく。特に35ミリ判フルサイズミラーレス用のレンズはいずれも巨大化し重量級だ。もちろん数値・性能面では十分に名玉と呼べるものばかりになる。
キヤノン
【FD50mm F1.4】
初代のキヤノンF-1当時のもの。SSC(マルチコート)化される前のレンズだが、モノクロフィルムでの相性が素晴らしくよく、階調の再現が素敵だ。よく持ち出すレンズである

キヤノン 【FD50mm F1.4】 初代のキヤノンF-1当時のもの。SSC(マルチコート)化される前のレンズだが、モノクロフィルムでの相性が素晴らしくよく、階調の再現が素敵だ。よく持ち出すレンズである

 ただし、名玉とは、解像力やMTFの数値の高さだけで判断してはいけないと言える。そのレンズで自分が気に入った写真が撮れたかが重要だ。標準レンズは使用頻度が高く、気に入ったレンズは多く選ぶのは難しい。

 ここでは、私が長く使用しているクラシックなものを選んだ。撮影した被写体や状況を思い出すレンズだ。(解説/赤城耕一)

※『アサヒカメラ』2020年1月号より抜粋。本誌では赤城氏が厳選した10本のレンズがその特徴と共に紹介されている。

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