ボディー上部。シャッタースピードダイヤル、露出補正ダイヤルのふたつで多くの要件をしめている。いまやシャッターダイヤルが存在するカメラは希少な存在になりつつある。無粋なモードダイヤルになりませんように(撮影/赤城耕一)
ボディー上部。シャッタースピードダイヤル、露出補正ダイヤルのふたつで多くの要件をしめている。いまやシャッターダイヤルが存在するカメラは希少な存在になりつつある。無粋なモードダイヤルになりませんように(撮影/赤城耕一)

 外装はチタンを採用。ブラック、DR(デュラテクト)ブラック、DRシルバーの3色。特にデュラテクトを採用したカラーは、傷がつきにくいのが特徴で長年の使用に耐える。

 搭載されたセンサーはX─T3と同じ有効約2610万画素のX-Trans CMOS 4。画像処理エンジンはX─Processor 4。感度はISO160~1万2800(拡張ISO80~5万1200)。最高速シャッターは8000分の1秒(電子シャッター3万2000分の1秒)。シンクロ速度は250分の1秒以下で同調。連写速度は最高約11コマ/秒。

 AFはコントラストAFと像面位相差AFのインテリジェントハイブリッドAF。位相差AFではマイナス6EVの低輝度でのフォーカシングが可能。

 富士フイルムのアナウンスではX-Proシリーズユーザーの80~90%はEVFのみで使用しているという。ならば本機ではなく、X-T3を選べばよいではないかという疑問も出てこようがそれはまた別の話になる。

 さて、X-Pro3の実際の使用感はどうだろう。街に出かけて確かめた。そのデザインはレンジファインダーカメラだから使用レンズは標準、広角系レンズが多くなる。EVFに切り替えれば、どんな長焦点レンズでも問題なく使えることがわかっていてもスタイルを考えるとカバンから長焦点系レンズを取り出す気になれない。おそらく、長焦点レンズを使うとOVFが完全に“遊んで”しまうのが嫌だ。

 最初はシャッターを切った瞬間にすぐに背面を見つめてしまう。習慣というものは恐ろしいもので、フィルムカメラを使用するときもこの行為をすることがある。しかし、見つめてもそこにはフィルムシミュレーションに応じて図柄が変わる、小さなモニターがぽつんとあるだけ。

 不安になり、デジタルカメラの特性を生かさねばと撮影後の画像確認をするために今度は撮影のスピードを落として、シャッターを切るたびに逐一液晶モニターをチルトさせて再生画像を確認することにした。だめだ。姑息である。撮影画像を確認している間に、被写体が逃げる。冬の時期は日も短く時間は限られる。

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作例&X-Pro3の基本スペックをおさらい