35ミリ判フルサイズミラーレス機のSLの後継機としてSL2が登場。最新の機能を取り込んできた。同じLマウントのパナソニックのLUMIX S1Rに近い仕様になった。税込実売で89万1000円だ(撮影/河田一規)
35ミリ判フルサイズミラーレス機のSLの後継機としてSL2が登場。最新の機能を取り込んできた。同じLマウントのパナソニックのLUMIX S1Rに近い仕様になった。税込実売で89万1000円だ(撮影/河田一規)

 35ミリ判フルサイズミラーレス機でLマウントを採用するライカSLの後継モデル、ライカSL2が発表された。SLが2015年11月発売だったのでちょうど4年ぶりということになる。ハイエンドミラーレス機としては妥当なライフサイクルだろう。

【強い逆光条件でも、ヌケがいい描写の作例はこちら】

接眼光学系はSLと共通ながら、表示パネルが0.66型液晶から0.5型になったため、ファインダー倍率は0.8倍から0.78倍に小さくなっている。それと関係あるのかはわからないが、接眼部の枠はSL2のほうがやや狭くなったようだ(撮影/河田一規)</p>

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接眼光学系はSLと共通ながら、表示パネルが0.66型液晶から0.5型になったため、ファインダー倍率は0.8倍から0.78倍に小さくなっている。それと関係あるのかはわからないが、接眼部の枠はSL2のほうがやや狭くなったようだ(撮影/河田一規)

 当然ながら主要デバイスはほとんどがアップデートされていて、撮像素子は2400万画素から4730万画素へ高画素化されているほか、画像処理エンジンも世代が新しくなって連写速度が11コマ/秒から20コマ/秒へスピードアップ。電子ビューファインダー(EVF)も440万ドットから576万ドットになった。

メニューボタンを押すと、いわゆるクイックメニューがまず表示され、その先にメインメニューが出てくる構造は変わっていないが、クイックメニューの表示は大幅に変更され、よりグラフィカルになった。SLもタッチ液晶だったがメニュー操作は物理ボタンで行わなければならなかったのに対し、SL2のクイックメニューはタッチで操作できる。また、静止画と動画では表示内容も変わる(撮影/河
メニューボタンを押すと、いわゆるクイックメニューがまず表示され、その先にメインメニューが出てくる構造は変わっていないが、クイックメニューの表示は大幅に変更され、よりグラフィカルになった。SLもタッチ液晶だったがメニュー操作は物理ボタンで行わなければならなかったのに対し、SL2のクイックメニューはタッチで操作できる。また、静止画と動画では表示内容も変わる(撮影/河

 メカニカル面で最も大きな変更点は新たにボディー内手ブレ補正機構を搭載したことで、手ブレ補正機構のないLマウントレンズはもちろんのこと、アダプターを介してMやRレンズを装着したときにも手ブレ補正の恩恵を受けられるようになった。なお、手ブレ補正機構を内蔵したことでの大型化は極力抑えられている。

SLのグリップはシンプルな楕円形状だったが、SL2では断面形状をヤマ形にし、さらに指先が収まる部分を凹ませることでかなりホールディングしやすくなった。以前はグリップが大ぶりすぎて、手が小さい人にはカメラを保持しにくかったが、改良されている。なお、縦位置グリップ用の電子接点形状は変更され、三脚穴前方にあった回転防止穴がSL2では省かれた(撮影/河田一規)
SLのグリップはシンプルな楕円形状だったが、SL2では断面形状をヤマ形にし、さらに指先が収まる部分を凹ませることでかなりホールディングしやすくなった。以前はグリップが大ぶりすぎて、手が小さい人にはカメラを保持しにくかったが、改良されている。なお、縦位置グリップ用の電子接点形状は変更され、三脚穴前方にあった回転防止穴がSL2では省かれた(撮影/河田一規)

 動画性能も向上している。SLでも4Kで30‌fps、横長のシネマ4K(4096×2160)時は24‌fpsが可能だったが、SL2ではともに最大60‌fpsまで選択可能になったほか、4Kより高解像な5K/30‌fpsや、スローモーション時に効果を発揮するフルHD/180‌fpsまで対応する。

ボディー左手側にある各種端子部も大幅に変更。SLでは専用ケーブルでヘッドホン/マイク/リモコンを一元接続するタイプだったのが、SL2ではそれぞれ一般的な3.5ミリミニジャックになった。USB3.0端子もマイクロBからType-Cに変更。給電も可能になった。ただし、SLにはあったストロボシンクロ端子は残念ながら廃されてしまった(撮影/河田一規)
ボディー左手側にある各種端子部も大幅に変更。SLでは専用ケーブルでヘッドホン/マイク/リモコンを一元接続するタイプだったのが、SL2ではそれぞれ一般的な3.5ミリミニジャックになった。USB3.0端子もマイクロBからType-Cに変更。給電も可能になった。ただし、SLにはあったストロボシンクロ端子は残念ながら廃されてしまった(撮影/河田一規)

 このほかにも顔認識AFの大幅な性能向上や、8コマ合成で1億8700万画素の画像を生成するマルチショットモード、USB端子からの給電、背面液晶モニターが104万ドットから210万ドットに高解像度化したことなど、改良点は多岐にわたる。
 なお、バッテリーはSLと同じBP−SCL4を引き続き採用。記録メディアも変わらずSDメモリーカードのデュアルスロットだが、SLでは一方しかUHS−IIに対応しなかったが、SL2では両スロットともUHS−II対応になっている。

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手ブレ補正機構搭載でも変わらぬ大きさは魅力