■望遠とボケの生かし方

 望遠とボケの効果はポートレートの一大要素。ペット撮影では人を撮るシチュエーションと比較し試してみると、のみこみやすい。

<背景をしっかりぼかす>

キヤノンEOS-1D X・70~200ミリF2.8・ISO100・絞りf4・絞り優先AE・+0.7補正(撮影/小川晃代)
キヤノンEOS-1D X・70~200ミリF2.8・ISO100・絞りf4・絞り優先AE・+0.7補正(撮影/小川晃代)

小川:屋外では70~200ミリの望遠レンズが便利で、ひんぱんに使います。とくに花畑で撮る場合は望遠レンズの力は大きく、圧縮効果によってスカスカ気味の花畑でも密集感が出せますね。

<前ボケを入れ込んで>

ソニーα7III・70~200ミリF2.8・ISO250・絞りf2.8・絞り優先AE・+0.3補正
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ソニーα7III・70~200ミリF2.8・ISO250・絞りf2.8・絞り優先AE・+0.3補正

小川:望遠レンズによるボケと圧縮効果による作画ができたら、加えて前ボケを入れると、より華やかな印象に。撮影の状況に余裕があったり、前ボケに適した花があれば、作品の力もアップしていく、という方向で試してみてください。

(構成/編集部・池谷修一)

写真・解説:小川晃代(おがわ・あきよ)
1980年埼玉県生まれ。トリマー、ドッグトレーナーなど、さまざまな動物に関する資格を持つペットフォトグラファー。東京都世田谷区でペット専門の写真スタジオ「アニマルラグーン STUDIO」を運営。著作多数。

※『アサヒカメラ』2019年12月号より抜粋。本誌では「レベル3 絞りのコントロール」「レベル4 素早い動きを追いかける」など、より上級者向けのテクニックも紹介している。