フサオマキザル 北パンタナール(ブラジル)
<br />■オリンパスOM-D E-M1 MarkII・M.ズイコーデジタル ED40~150ミリF2.8 PRO・ISO200・絞り開放・125分の1秒
フサオマキザル 北パンタナール(ブラジル)
■オリンパスOM-D E-M1 MarkII・M.ズイコーデジタル ED40~150ミリF2.8 PRO・ISO200・絞り開放・125分の1秒

 フサオマキザルの子どもが緑色のアクリヤシの実を取り、食べようとしている。サルは手を使って食べるので、どこか人間のようで、見ていて飽きない。

 ここへは3、4回通っただろうか。この辺りのフサオマキザルは人を見ることに慣れており、近づいても極度に緊張したり、瞬時に逃げたりしない。おかげでかなり近くまで寄って撮ることができた。

 撮影をするのはたいてい夜と朝のはざま、動物たちがもっとも活発に動く早朝だ。このときは、木の幹を背景にサルと実だけが浮き上がって見えるよう、朝日が差し込む瞬間を待ってシャッターを切った。

写真・文=岩合光昭

※『アサヒカメラ』2019年9月号より抜粋

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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