操作感触はエントリー機のそれではなく、ファインダーをのぞくだけでもひとつ上のクラスと感じる正統派一眼レフである。試作機による撮影のため、評価は差し控えるが、約3250万画素の緻密な印象は画像から十分に伝わってくる●97ミリ時・EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM・AE(絞りf10・640分の1秒・-0.7補正)・ISO200・AWB・JPEG
操作感触はエントリー機のそれではなく、ファインダーをのぞくだけでもひとつ上のクラスと感じる正統派一眼レフである。試作機による撮影のため、評価は差し控えるが、約3250万画素の緻密な印象は画像から十分に伝わってくる●97ミリ時・EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM・AE(絞りf10・640分の1秒・-0.7補正)・ISO200・AWB・JPEG

 一眼レフのキモである光学ファインダーの視野率は約100%で、倍率は約0.95倍(50ミリレンズ使用時)とEOS 80Dと同等。ミドルクラス一眼レフとして恥ずかしくない性能だ。

 撮像素子は、有効約3250万画素のAPS-CサイズCMOSで高精細画質を追求している。風景や緻密な写真制作を行う場合にも向いている。感度は常用でISO100~2万5600。拡張でISO5万1200まで設定できる。高画素になっても高感度に強い仕様だ。

 操作性も、従来のEOS一眼レフユーザーがなじめるように配慮されている。今回、なんと背面のマルチコントローラーは二つ搭載された。従来どおりの十字キーの周りにリングのあるホイールタイプのマルチコントローラーに加え、測距点の変更を素早く行うことができるスティックタイプが加わった。カメラの縦、横位置にかかわらずファインダーをのぞきながらでも親指で測距点の迅速な変更、設定が可能だ。
 シャッターボタンの操作フィーリングも配慮されている。上位機のように半押しと全押しで押し圧が変化。連続撮影時に力を込めて押し続ける必要がなく長時間連続撮影するときでも疲れにくい。

 適宜な大きさと重量で携行性もよく、加えて高性能の光学ファインダーと高速連写機能を搭載し、一眼レフの魅力を押し出したEOS 90D。ライブビュー性能も高く、両者の特性を生かした万能型のハイブリッドカメラとして使用できるだろう。

ボディー単体で税別実売11万5000円、EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STMとEF-M 55-200mm F4.5-6.3 IS STMのセットが税別実売15万2500円。さらに電子ビューファインダーEVF-DC2がつくセットが税別実売16万7500円
ボディー単体で税別実売11万5000円、EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STMとEF-M 55-200mm F4.5-6.3 IS STMのセットが税別実売15万2500円。さらに電子ビューファインダーEVF-DC2がつくセットが税別実売16万7500円

<EOS M6 Mark II>フラットタイプのコンパクトミラーレス

 APS-Cミラーレス機のEOS MシリーズにEOS M6 MarkIIが加わる。いうまでもなくEOS M6の後継機だが、基本スペックをみると同時期に登場する一眼レフのEOS 90Dと共通する部分も多い。

 一眼レフとミラーレス機でユーザーは異なるだろうが、キヤノンとしては一眼レフとミラーレスをあえて似たスペックで投入することで、ユーザーの反応を見てみようという意味もあるのかもしれない。

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AFの固定・追従ともに最高約14コマ/秒を実現