●観光地や撮影スポットで、通路での三脚使用や、祭りなどのイベント会場でのロープ・粘着テープによる場所取り。神社の境内で三脚を使用していたので注意したら「撮影前にお参りしているのに何が悪い」と逆ギレされた。(40代 男性 会社員)

●祭りの船を橋の上から撮ろうと早く行って待っていたが、既に橋の上に「この場所は撮影するから」とメモ書きと三脚が数台立てられていた。船を見るために多くの見物客が来ていたが、三脚を立てていた数人のカメラマンは船が来る直前にやってきて、一般の見物客を「わしらがすでに確保している」と排除していた。(80代以上 男性 無職)

●兵庫県たつの市の新舞子の早朝の干潟の撮影の際、ある写真教室のリーダーの人が、15人くらいの生徒のために一番よい撮影場所にロープを張って、撮影場所を占拠して、一般のひとが三脚を立てられないようにしていた。(70代 男性 職業不詳)

●夜景三脚禁止の場所で、昼だからいいだろうと三脚放置で場所取り。夜景になってもそのまま三脚使用(六義園・紅葉時)。カメラを構えた人、持たない人に「邪魔だ。どけ」と発言(隅田川・花見時)。(70代 男性 会社員)

<三平弁護士の見解>

 占有場所が商業施設や公道であれば、法律違反になる可能性があります。たとえば、植物園などの商業施設は来場者から入園料をもらって観覧させているので、占有によって他の入場者の妨害をしたと判断されれば「威力業務妨害」となります。また、正当な理由なく、車道や歩道に物を置いて交通の妨げとなっていれば「道路交通法違反」にあたります。道路に三脚を立てる行為もこれに該当する可能性があります。ただ、どこまでが「正当な理由」として許容されるかの統一見解はなく、当局の判断によります。また「どけ」などの暴言にも注意が必要です。「どかなかったから殴るぞ」など暴力の宣言があると「脅迫罪」や「強要罪」となります。暴言は許されないと考えておくべきです。

<こんな罪になる?>

◆威力業務妨害罪
3年以下の懲役または50万円以下の罰金

◆道路交通法違反
3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金

◆脅迫罪(暴言)
2年以下の懲役または30万円以下の罰金

◆強要罪(暴言)
3年以下の懲役

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